《要旨》 請求人がその親族から本件土地及び本件建物を譲り受けたこと(本件譲受け)について、請求人は、本件譲受けの価額が時価であるから、本件譲受けは相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「著しく低い対価」での譲受けに該当しない旨主張し、原処分庁は、本件土地及び本件建物の時価は、原処分庁の依頼に基づく鑑定評価額(原処分庁鑑定額)であり、原処分庁鑑定額と本件譲受けの価額を比較すると、本件譲受けは、同条に規定する「著しく低い対価」での譲受けに該当する旨主張する。
しかしながら、原処分庁鑑定額は、合理的に鑑定されたものとは認められないから、これを本件土地及び本件建物の時価と認めることはできない。他方、当審判所の依頼に基づく本件土地の鑑定評価額は合理的に鑑定されたものと認められるからこれを時価と認めるのが相当であり、また、本件建物については、一般的に合理性が認められる固定資産評価基準に従って算定された固定資産税価格が適正な時価と認められる。したがって、本件土地及び本件建物の時価はこれらの合計額であると認められ、当該合計額は原処分庁鑑定額を下回るものの、当該合計額と本件譲受けの価額とを比較すると、本件譲受けは、相続税法第7条に規定する「著しく低い対価」での譲受けに該当すると認めるのが相当である。
《参照条文等》 相続税法第7条
《参考判決・裁決》 東京地裁平成19年8月23日判決(判タ1264号184頁)
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