請求人らは、本件預貯金等のうち、妻名義のものは、妻が被相続人との婚姻前から保有していた預貯金及び妻固有の収入並びに生活費を節約して貯めたヘソクリを原資として形成されたものである、子名義のものは、子が両親との同居期間中に子固有の収入から生活費として家計に入れていた金員等を原資として形成されたものである、また、一部のものについては被相続人から生前に贈与を受けたものである旨主張する。
しかしながら、本件預貯金等のうち妻及び子名義の郵便貯金の一部については、「郵便貯金メモ」等により被相続人が管理しており、被相続人がその処分権を有していたと認められること、本件預貯金等のうち以外の預貯金等についても原資は被相続人が出捐したものであり、その管理も被相続人により行われていたと認められること、妻の固有収入は本件預貯金等以外の預金に化体しており、本件預貯金等の原資たり得ないこと、子が固有収入を生活費として家計に入れていた事実を認めるに足る客観的証拠はないこと、生前に贈与を受けたと請求人らが主張する預貯金等について妻は贈与を受けたことはない旨答述している上、贈与されたと主張する預貯金等の管理運用は被相続人が行っており、贈与の事実は認められないこと等から判断すると本件預貯金等は相続財産であると認めるのが相当であり、請求人らの主張は採用できない。
なお、妻名義の普通預金1口については、原資が不明である上、口座開設時の印鑑届の筆跡も妻であり相続財産とは認められないから、原処分はその一部を取り消すべきである。
平成19年10月4日裁決
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