請求人は、請求人の歯科技工所の事業形態は、原材料、中間材料、機械設備などをすべて自ら調達し、原材料等に物理的、科学的、機械的変化を施した歯科補てつ物を患者固有の口腔内に適合、機能できるように製作して受注先へ納入していることから第三種事業(製造業)に該当する旨主張する。
しかしながら、請求人の事業をみると、もっぱら歯科医師等の受注先から補てつ物等を作成するうえでの具体的指示事項が記載されている技巧伝票及び石こうの歯形の提供を受けて歯科補てつ物等を作成して納入しているのであり、同物を何の制約等を受けることなく自由に作成できるものではない。請求人は、歯科医師が指示する形状、サイズ、材質等に従って歯科補てつ物を作成しなければならないのであり、歯科医師の指示によらず作成する歯科材料製造業等とは全く異なっている。
また、請求人の事業は誰でも自由に行い得るものではなく、歯科医師ないし歯科技工士としての国家資格が認められた者でなければ行い得ないものであって、歯科医師は歯科医師及び歯科技工士以外の誰にも事業としての歯科補てつ物等の作成を依頼することができないことから、本件事業は歯科医師の指示に基づいて歯科医療に係る知識若しくは技能、技術を提供するものであり、歯科補てつ物等の作成も歯科医療行為の一環として行っているものと解するのが相当である。
そうすると、本件事業は、歯科補てつ物等を製作する製造業としてよりも、歯科補てつ物等の製造、納入による歯科医療行為に付随するサービス提供事業である点にその本質があるものと解されることから、第四種事業(サービス業)に該当する。
平成9年12月5日裁決
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