請求人は、課税事業者に該当することから簡易課税制度を選択したものであり、免税事業者であれば簡易課税制度を選択することもないし、消費税法第37条は法的効力も有しないところ、請求人の本件課税期間に係る基準期間の課税売上高は3000万円以下であり、免税事業者であるにもかかわらず、本件課税期間について課税事業者選択届出書を提出することにより、消費税法第9条第1項本文の特例規定の適用を放棄して課税事業者となったのであるから、本件課税期間の仕入れに係る消費税額の計算においては、消費税法第37条の規定の適用はなく、原則計算である同法第30条の規定により行うこととなる旨主張する。
しかしながら、[1]請求人は平成7年3月23日に簡易課税選択届出書を提出した後、平成14年12月24日に簡易課税制度選択不適用届出書を提出しているが、それ以前に簡易課税制度選択不適用届出書を提出した事実は認めらないこと、[2]平成14年6月24日に適用開始日を本件課税期間の開始日とする課税期間特例選択届出書を提出した上で、本件課税期間について課税事業者選択届出書を提出していること及び[3]本件課税期間に係る基準期間における課税売上高は2億円以下であることから、期間において簡易課税制度の適用を受ける事業者であることは明らかである。
消費税法第9条第4項に規定する課税事業者選択届出書を提出した事業者は、同条第1項本文の規定の適用はないのであるから同法第37条第1項のかっこ書きにある「同法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務を免除される事業者を除く」の規定により同法第37条の規定が適用されないと解する余地はないといわざるを得ず、請求人の主張は独自の見解に基づくものであるから、採用することはできない。
以上のとおり、原処分庁が、請求人の本件課税期間の消費税等について簡易課税制度を適用して仕入れに係る消費税額を算出したことは相当と認められる。
平成15年12月12日裁決
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