請求人が、本件不動産を信託財産とする信託受益権を取得し、本件不動産の取得に係る本件付随費用の消費税額について、個別対応方式により仕入控除税額を計算するに当たり、本件付随費用の総額を、本件不動産を構成する本件個々の資産の取得価額の比で本件個々の資産に配賦し、本件個々の資産の取得目的に応じ「課税対応」及び「共通対応」に区分したところ、原処分庁は、本件付随費用はいずれも「共通対応」に区分すべきであるとして消費税等の更正処分を行った。
これに対し、請求人は、消費税の課税対象となる一の取引金額の内訳又は複数の取引金額の合計の内訳について、個別対応方式における対応区分が明らかにされていれば、その明らかとなっている区分に応じて対応関係を判定すべきであり、本件付随費用は本件個々の資産にそれぞれの取得価額の比で配賦されているから、個別対応方式における区分は明らかである旨主張する。
しかしながら、課税仕入れとは、「事業者が、事業として他の者から資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けること」のそれぞれの取引を指すことから、消費税法第30条第2項第1号に規定する「課税仕入れにつきその区分が明らかにされている場合」とは、課税仕入れである個々の取引についての対応区分が明らかにされている必要があるものと解される。
そうすると、請求人は、本件付随費用について、その総額を一つの単位とし、各付随費用の合計額を本件個々の資産の取得価額により按分した結果をもって「課税対応」及び「共通対応」に係る課税仕入れの額として集計したに過ぎず、個々の課税仕入れにつきその区分を判定していないことは明らかであるから、請求人の主張は採用できない。
平成19年2月14日裁決
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