《ポイント》 本事例は、原処分庁が、請求人を名宛人とする外国からの郵便物に添付された税関告知書記載の価格に基づき消費税の課税標準を算出するなどした上で、請求人に消費税等の賦課決定処分を行ったところ、当該郵便物の内容品の価格は、請求人が購入した商品の価格であると認められ、当該税関告知書に記載された価格は誤りであると判断して、原処分を取り消したものである。
《要旨》 原処分庁は、外国から発送された請求人を名宛人とする郵便物(本件郵便物)の内容品の価格は、税関告知書に記載された金額(本件金額)と認められることから、関税定率法(定率法)第4条の6《航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例》第2項の適用がある場合における本件郵便物の課税価格は本件金額に基づいて算出すべきである旨主張する。
しかしながら、請求人は中古のミニカー1個(本件商品)を購入していたところ、請求人による本件商品の発注から本件郵便物の受取までを一連の手続としてみた場合に時系列の点で矛盾点がなく、かつ、不自然な点がないことに加え、請求人と本件商品の譲渡人との電子メールの件名や添付された画像データからも、本件郵便物の内容品は本件商品であったと考えるのが自然であること、本件郵便物の内容品及び本件商品の原産国や重量などをみても、本件郵便物の内容品は本件商品であったと考えるのが自然であること、請求人と本件商品の譲渡人との電子メールでのやり取りから、本件郵便物の内容品が本件商品以外の別の貨物である可能性は極めて低いことを総合勘案すると、本件郵便物の内容品は本件商品であったと認められる。したがって、本件郵便物の課税価格を本件金額に基づいて算出した賦課決定処分はその全部を取り消すべきである。
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