《ポイント》 本事例は、輸出申告時点で資産の価格が未確定である郵便物については、郵便物1個当たりの輸出時見積価格をもって当該郵便物の価格とみるのが相当であるとした事例
《要旨》 請求人は、国際便物により輸出した資産の譲渡(本件取引)について、郵便物1個当たりの価格が20万円を超えないことから消費税法施行規則第5条《輸出取引等の証明》第1項第2号(本件条文)に規定する郵便物(簡易郵便物)として資産を輸出した場合に該当し、同号に規定する帳簿又は郵便物受領証等を保存をしているのだから、消費税法第7条第2項に規定する証明がされている旨主張する。
しかしながら、本件取引の輸出申告時点では、取引の対象となる資産の価格が未確定の状態であり、そのような場合には郵便物1個当たりの輸出時見積価格(調達原価に通常の利潤、一般管理費等を加えた額又は値引き等の調整が加えられる前の額)をもって当該郵便物の価格とみるのが相当であるところ、本件取引においては、1個の郵便物にまとめられた各資産のそれぞれの仕入金額の合計額は、最も少ないもので20万円の2倍超であることから、郵便物1個当たりの輸出時見積価格は、いずれも20万円を上回ると認められ、本件取引は、本件条文に規定する簡易郵便物としての資産の輸出には該当せず、消費税法第7条第2項に規定する証明がされているとは認められない。
《参照条文等》 消費税法第7条第1項及び第2項 消費税法施行規則第5条第1項 消費税法基本通達7−2−23 関税法第67条及び第76条 関税法基本通達67−1−4
《参考判決・裁決》 平成29年9月15日裁決(裁決事例集No.108)
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