《ポイント》 この事例は、旅行会社等が企画、手配するいわゆるパック旅行等における日本国内での飲食、宿泊、輸送等の役務提供は、販売先が国内に支店又は出張所を有しない外国法人であっても、当該旅行の参加者が国内において直接便益を享受する取引に当たる場合には、輸出免税取引に該当しないとしたものである。
《要旨》 請求人は、請求人が旅行業を営む非居住者である外国法人に対して販売した国内パッケージツアーは、請求人が国内の各種サービス提供機関から、ホテル、レストラン、バス等の利用につき購入して作成した国内旅行を販売(本件取引)しているものであり、当該外国法人に対して飲食、宿泊、輸送等の役務の提供をしていないこと、また、当該外国法人は飲食、宿泊、輸送等の役務を国内において直接享受するものではないことから、消費税法施行令第17条《輸出取引等の範囲》第2項第7号のロ又はハに該当せず、消費税法第7条《輸出免税等》第1項に規定する輸出免税取引に該当し、原処分は違法である旨主張する。
しかしながら、請求人が当該外国法人から受領する本件取引に係る対価の額には、旅行者が各種サービス提供機関から直接便益を享受する飲食、宿泊、輸送等の役務の提供の対価に相当する金額が含まれていると認められるところ、当該旅行者が飲食、宿泊、輸送等について国内において直接便益を享受していることは、消費税法施行令第17条第2項第7号のロ又はハに該当する輸出免税の対象となるものから除かれる非居住者に対する役務の提供に当たる。したがって、本件取引に係る対価の額のうち請求人が支払った飲食、宿泊、輸送等の役務提供に係る対価の額に相当する金額は、輸出免税取引の対価の額には該当しない。
《参照条文等》 消費税法第7条第1項第5号 消費税法施行令第17条第2項 消費税法基本通達7−2−16
《参考判決・裁決》 平成15年4月24日裁決(裁決事例集No.65・864頁)
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