《ポイント》 本事例は、請求人は、発行を受けた商品券の同一性を保持しつつ、顧客へ販売しているから、当該商品券の販売は、消費税法別表第一第4号ハに規定する物品切手の譲渡に該当し、当該取引は非課税取引であるとしたものである。
《要旨》 請求人は、請求人の店舗のみで使用できる商品券(本件商品券)が、資金決済に関する法律(資金決済法)上の自家型前払式支払手段に該当し、本件商品券は流通している商品券等には該当しないことなどから、本件商品券の発行者は請求人であり、請求人の本件商品券の顧客への販売は、消費税法別表第一第4号ハに規定する物品切手の譲渡に該当しない旨主張する。 しかしながら、請求人と本件商品券の発行会社との間で締結した本件商品券の発行及び販売に関する契約(本件契約)は、当該発行会社が本件商品券を作成・発行の上で請求人に券面金額で販売し、これを請求人が顧客に再販売するものとされていること、請求人が購入代金を支払うまで本件商品券の所有権は当該発行会社に留保されること、本件商品券の裏面に発行元は当該発行会社である旨表示されていることからすれば、当該発行会社が本件商品券を発行し、それを請求人に販売するものとして締結されたと認められる。そして、本件商品券は、資金決済法に規定する前払式支払手段に該当し、その発行者に義務付けられた手続を実際に行っていたのは当該発行会社であったことなどからすると、当該発行会社が資金決済法上の発行者として本件商品券の発行の業務を行っていたといえる。これらの事情から判断すると、本件商品券の発行者は当該発行会社であると認められ、請求人は当該発行会社から発行を受けた本件商品券につきその同一性を保持しつつ顧客へ移転させることにより、資産の譲渡を行ったものであるから、請求人が行った本件商品券の顧客への販売は、物品切手の譲渡に該当する。 ただし、請求人の課税売上割合及び控除対象仕入税額を再計算すると、原処分の一部を取り消すべきである。
《参照条文等》 消費税法第6条第1項、同法別表第一第4号ハ 消費税法基本通達6-4-5
※最大20件まで表示
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。
*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください