《要旨》 請求人は、請求人が境内に所有する会館を請求人の僧侶が出仕しないで檀家以外の者に対し利用させる行為により利用料を受領する際、領収証のただし書に「会館使用布施」と記載し、布施として利用料を受領しており、当該会館を利用させた対価として利用料を受領したものではないから、当該行為により金員を受領していたことは、いわゆる不課税取引に当たり、資産の譲渡等に該当しない旨主張する。
しかしながら、法人が行う全ての資産の貸付けは「事業として」行われるものであるから、当該行為は、「事業として」行われるものに該当し、また、一般的に「対価」とは、資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供に対する反対給付として支払を受けることをいうから、資産の貸付けが無償で行われる場合や支払行為に対価性がない場合には消費税が課されないことになるが、本件においては、請求人は、当該会館を檀家以外の者に利用させ、その対価として当該者からその利用料を受領したものであり、さらに、当該利用料が喜捨等の性格を有するということはできないから、上記の資産の貸付けが無償で行われる場合や支払行為に対価性がない場合には当たらないというべきであり、この判断は、請求人が当該会館の利用者に交付した領収証に「会館使用布施」と記載していたとしても左右されるものではない。そうすると、請求人が当該行為により金員を受領する行為は、「事業として対価を得て行われる資産の貸付け」に該当し、資産の譲渡等に該当すると認めるのが相当である。
《参照条文等》 消費税法第2条第1項第8号 消費税法基本通達5−1−1、5−1−2
《参考判決・裁決》 平成16年2月5日裁決(裁決事例集No.67・747頁)
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