請求人は、請求人の職員を社会福祉法人Eが行う通所介護業務に従事させて社会福祉法人Eから得た金員は、社会福祉法人Eに出向させた職員(以下「本件職員」という。)の給与を収受したものであり、消費税法基本通達5−5−10に定める給与負担金に該当するから課税資産の譲渡等の対価には該当しない旨主張する。
ところで、出向とは、出向者が出向元との労働契約を維持して雇用関係が存続する一方、出向先の指揮命令に服して就労することから、出向先とも雇用関係に基づいて勤務する形態であると解されるところ、本件職員との雇用関係は請求人との間にのみ存在することからすれば、請求人が本件職員を社会福祉法人Eに出向させていたとみることはできず、社会福祉法人Eから収受した金員は、出向に基づく給与負担金とは認められない。
また、請求人は、社会福祉法人Eとの間において上述した通所介護業務に係る業務委託契約書を作成しているところ、当該契約書に実用性はなく本件金員は上記通達にいう給与負担金であるとも主張するが、実際に当該契約書の契約内容に基づいて職員を社会福祉法人Eの通所介護業務に従事させて役務を提供し、その対価として本件金員を収受しているのであるから、本件金員は、課税資産の譲渡等に係る対価に該当する。
平成21年5月22日裁決
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