請求人は、本件受入手数料は、新規に獲得した顧客宅には薬を配置する必要があり、A社から大量に仕入れが必要となることから、販売促進の目的で販売数量及び販売高等に応じて受け取る販売奨励金等に該当し、また、新規顧客の獲得は請求人自身の顧客獲得であり、A社に対する役務の提供ではなく課税資産の譲渡等の対価には当たらない旨主張する。
しかしながら、請求人が新付けにより獲得した得意先はすべて請求人の得意先となる一方、A社の売上金額の増加にも資することが認められ、また売上増加を期待するA社が支払う本件受入手数料は、新規顧客獲得数に応じて支払う出来高払いとしての報酬の性質を有するもので、新規顧客獲得という役務の提供の対価であると認めるのが相当である。また、請求人が受け取る一戸当たりの本件受取手数料は、請求人が新規顧客宅に配置する薬品の仕入原価の3倍を超えていること、本件受取手数料は課税資産である薬品の仕入れに係る取引の対価の額とは必ずしも対応しない新規顧客獲得戸数を計算基準として算出されて支払われていることからすると、本件受取手数料とA社からの薬品仕入れの対価との間に対応関係は認められない。
そうすると、本件受入手数料は、販売奨励金等には該当せず、むしろ役務の提供の対価として課税資産の譲渡等の対価の額に当たるというべきである。
平成17年3月22日裁決
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