《ポイント》 資産の譲渡等には、事業活動の一環として又はこれに関連して行われる資産の譲渡を含み、事業の用に供している土地等の譲渡は、事業に付随して対価を得て行われる資産の譲渡に該当するものと解される。
この事例は、秋の収穫後の冬季の休作期間に売却を目的として整地工事をした稲作農地であった土地につき、売却時点において、事業の用に供する資産に当たるか否かが争われたものである。
《要旨》 請求人は、稲作農地であった本件土地は、宅地に整地した時点で稲作ができなくなり、その時点で家庭用資産になったのであるから、本件土地の譲渡は「資産の譲渡等」に当たらない旨主張する。
しかしながら、本件土地は稲作農地として請求人の事業の用に供されていた土地であって、例年どおり冬季の休作状態にあった時期に、本件土地の売却の話があり、それを受けて宅地に整地するための工事が行われたことからすれば、当該工事は、請求人の事業用資産である本件土地の売却を目的として行われたものにすぎず、事業用資産としての性格を失わせる事情にはならない。また、他に本件土地の事業用資産としての性格を失わせる事情は認められないことを併せて考えると、本件土地は、売却時点において、請求人が営む事業の用に供していた資産であったと認めるのが相当であり、本件土地の譲渡は、請求人の事業活動に関連して行われる資産の譲渡であって、「資産の譲渡等」に該当するものと認められる。
《参照条文等》 消費税法第2条第1項第8号 消費税法施行令第2条第3項
《参考判決・裁決》 富山地裁平成15年5月21日判決(税資253号9349)
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