リビング・ニーズ特約に基づく保険金(生前給付金)は、非課税所得として取り扱って差し支えありませんか。
《リビング・ニーズ特約の概要》
被保険者の余命が6か月以内と診断された場合に、主契約の死亡保険金の一部又は全部(上限3,000万円)を生前給付金として支払う。
生前給付金を支払ったときは、これと同額の死亡保険金が減額されたものとされる(死亡保険金の全部を生前給付金として支払った場合には、主契約は消滅する。)。
生前給付金の受取人は被保険者とし、配偶者等について指定代理請求を認める。
特約の保険料は不要である(主契約の保険料に吸収されている。)。
非課税所得として取り扱って差し支えありません。
リビング・ニーズ特約による生前給付金は、死亡保険金の前払的な性格を有していますが、被保険者の余命が6か月以内と判断されたことを支払事由としており、死亡を支払事由とするものではないことからすれば、重度の疾病に基因して支払われる保険金に該当するものと認められます。
疾病により重度障害の状態になったことなどに基因して支払われる保険金は、所得税法施行令第30条第1号に掲げる「身体の傷害に基因して支払われる」保険金に該当するものと取り扱っており(所得税基本通達9-21)、その保険金は非課税所得となります。
(注) 生前給付金の支払を受けた後にその受取人である被保険者が死亡した場合で、その受けた給付金に未使用のものがあるときのその未使用部分については、本来の相続財産として相続税の課税対象となります(この場合、相続税法第12条第1項第5号《相続税の非課税財産》の規定の適用はないことに注意してください。)。
所得税法第9条第1項第17号、所得税法施行令第30条第1号、所得税基本通達9-21、相続税法第12条第1項第5号
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
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