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いわゆる「三角合併」において端数調整金が支払われる場合の適格判定等について|法人税

[いわゆる「三角合併」において端数調整金が支払われる場合の適格判定等について]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 A社の100%子会社であるB社と特に出資関係を有しないC社との間で、B社を合併法人とする合併を予定しています(A社、B社及びC社はいずれも株式会社です。)。
 この合併は、C社の株主に交付する対価をB社株式ではなく、B社の親会社の株式であるA社株式とするいわゆる「三角合併」により行うことを予定していますが、合併比率に端数が生じ、交付すべきA社株式の数に1株に満たない端数が生じることから、この端数に相当する金銭(端数調整金)をC社の株主に交付することとしています。この場合において、この合併は、被合併法人の株主に合併親法人株式以外の資産が交付されないものとして、適格合併に該当するかどうかの対価要件(法法2十二の八柱書き)及び被合併法人の株主の旧株の譲渡損益の計上を繰り延べる合併に該当するかどうかの対価要件(法法61の2)をそれぞれ判定して差し支えないでしょうか。

【回答要旨】

 ご照会のいわゆる「三角合併」は、C社の株主にA社株式(合併親法人株式)以外の資産が交付されないものとして、それぞれの対価要件を判定して差し支えありません。

(理由)

1 株式会社が行う合併が適格合併に該当するためには、合併法人と被合併法人との関係が、完全支配関係、支配関係又はそれ以外の関係のいずれに当たるかによってそれぞれ定められた要件(法2十二の八イ〜ハ)を満たすとともに、これらの関係に共通して定められた要件(法2十二の八柱書き)を満たす必要があります。
 このうち、これらの関係に共通して定められた要件は、被合併法人の株主等に、次に掲げる株式のいずれか一方の株式以外の資産が交付されないこととされており(法2十二の八柱書き)、いわゆる「三角合併」の場合には、の株式以外の資産が交付されないことが要件(適格合併の判定に係る対価要件)となります。

2 また、いわゆる「三角合併」により被合併法人の株主である法人が、合併により消滅する被合併法人の株式を譲渡した場合で、被合併法人の株主に合併親法人株式以外の資産が交付されなかったとき(被合併法人の株主の旧株の譲渡損益を繰り延べる合併に該当するか否かの判定に係る対価要件)は、その譲渡に係る譲渡対価の額は当該合併直前の被合併法人の株式の帳簿価額に相当する金額とされ、当該譲渡に係る譲渡損益を繰り延べることとなります(法法61の2)。

3 ご照会のいわゆる「三角合併」においては、合併比率に端数が生じ、交付すべきA社株式の数に1株に満たない端数が生じることから、この端数に相当する金銭を端数調整金としてC社の株主に交付することとしていますので、合併親法人株式以外の資産が交付されないことという適格合併の判定及び被合併法人の株主の旧株の譲渡損益を繰り延べる合併に該当するか否かの判定に係る対価要件をいずれも満たさないのではないかとの疑問が生ずるところではあります。

4 この点、法人税法においては、合併対価として交付すべき合併親法人株式の数に1に満たない端数が生ずる場合で、その端数に応じて金銭が交付されるときは、その端数に相当する部分は、合併親法人株式に含まれるものとされています(法令139の3の2)。

5 したがって、ご照会のいわゆる「三角合併」においては、合併比率に端数が生じ、交付すべきA社株式の数に1株に満たない端数が生じるとして、この端数に相当する金銭(端数調整金)をC社の株主に交付したとしても、この金銭(端数調整金)は合併親法人株式に含まれるものとされることから、C社の株主にA社株式(合併親法人株式)以外の資産が交付されないものとしてそれぞれの対価要件を判定することとなります。

6 なお、合併法人株式を合併対価とする通常の合併の場合において、被合併法人の株主が交付を受けるべき合併法人株式に1株に満たない端数が生ずることとなったときは、会社法第234条《一に満たない端数の処理》の規定により端数の合計数に相当する株式を合併法人が売却等をして換金し、その金銭が被合併法人の株主に交付されることとなりますが、この行為は合併法人が被合併法人の株主に代わって端数の合計数に相当する株式の譲渡等を行うに過ぎないものと解されます。このため、同条の規定に基づく金銭が被合併法人の株主に交付される場合には、その交付を合併法人株式の交付として取り扱うことが法人税基本通達1-4-2((合併等に際し1株未満の株式の譲渡代金を被合併法人等の株主等に交付した場合の適格合併等の判定))の前段で留意的に明らかにされています。

【関係法令通達】

 法人税法第2条第12号の8、第61条の2第2項
 法人税法施行令第139条の3の2第1項
 法人税基本通達1-4-2

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/33/24.htm

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当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。


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