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通信販売により生じた売掛債権の貸倒れ|法人税

[通信販売により生じた売掛債権の貸倒れ]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 A社は、一般消費者を対象に衣料品の通信販売を行っており、決済方法として、代金引換え、クレジットカ-ド払い、商品引渡し後の銀行振込み(後払い)の3つを用意しています。このうち後払いの方法による場合において、期日までに振込みがないときには、その支払期日から30日後、60日後、90日後にそれぞれ電話等での督促を行うほか、必要な回収努力を行っていますが、売上金額の1%程度が回収できない状況となっています。
 また、A社では、一度でも注文があった顧客については、継続・反復して販売することを期待して、その顧客情報をデ-タで管理していますが、その取引の状況を見てみると、同一の顧客に対して継続して販売している場合もありますが、1回限りの場合も多くあります。
 この場合、A社は、結果的に一回限りの販売しかしていない顧客を、法人税基本通達9-6-3(1)《一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ》の(注)における「継続的な取引を行っていた債務者」とみて、当該顧客に対する売掛債権について、貸倒れとして損金の額に算入することができますか。

【回答要旨】

 当該顧客に対する売掛債権については、貸倒れとして損金の額に算入することができます。

(理由)

1 商品の販売、役務の提供等の営業活動によって発生した売掛金、未収請負金その他これらに準ずる債権(売掛債権)については、他の一般の貸付金その他の金銭消費貸借契約に基づく債権とは異なり、履行が遅滞したからといって直ちに債権確保のための手続をとることが事実上困難である等の事情から、取引を停止した後1年以上を経過した場合には、法人が売掛債権について備忘価額を付し、その残額を貸倒れとして損金経理をしたときは、これを認めることとされています(法人税基本通達9-6-3(1))。
 なお、この場合の「取引の停止」とは、継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力等が悪化したためその後の取引を停止するに至った場合をいいますから、例えば、不動産取引のように同一人に対し通常継続して行うことのない取引を行った債務者に対して有する当該取引に係る売掛債権が1年以上回収できないにしても、この取扱いの適用はないこととなります(法人税基本通達9-6-3(注))。

2 A社の衣料品の通信販売は、一般消費者を対象に行われるもので、同一の顧客に対して継続して販売している場合もあるものの、1回限りの場合も多いとのことです。したがって、通常継続して行われることのない取引であり、上記1の取扱いの適用はないものとも考えられます。しかしながら、衣料品の通信販売を営むA社のように、一度でも注文があった顧客について、継続・反復して販売することを期待してその顧客情報を管理している場合には、結果として実際の取引が1回限りであったとしても、A社の顧客を「継続的な取引を行っていた債務者」として、その1回の取引が行われた日から1年以上経過したときに上記1の取扱いを適用することができます。

【関係法令通達】

 法人税基本通達9-6-3

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/16/06.htm

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当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。


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