裁決事例集 No.20 - 9頁
税理士の使用人が、独断で、事業所得の計算の基礎となる収入金額を圧縮したところにより決算書及び確定申告書を作成、提出したものであり、請求人本人は当該使用人からその内容説明を受けず、また、収入金額を記帳した帳簿との対査等も行っておらず、当該申告が所得金額を過少に申告したものであることを知らなかったから、請求人には仮装又は隠ぺいの意図がなかった上、そのような行為もしていない旨主張するが、その主張が信用できない状況では、請求人と申告書作成等の受任者との間にいかなる事情が存したにせよ、また、このことについて受任者がどこまで関与したかにかかわらず、請求人本人が記帳し、保存している帳簿に基づく収入金額を不正に操作し、これによって所得金額を過少に表示した決算書及び確定申告書を作成し、請求人が押印して最終的に完成させた上、提出したことは、国税の課税標準の計算の基礎となる事実の一部を隠ぺい又は仮装したところに基づいて納税申告書を提出したことに該当する。
昭和55年4月30日裁決
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