請求人は、税理士でありながら、総勘定元帳・決算書に虚偽の記載をして架空の必要経費を計上し、多額の所得金額を脱漏したばかりか、その能力を有しながら帳簿書類の備付け等をせず、また、原処分庁の調査担当職員に対し帳簿書類の保存はない等の虚偽の答弁をし、さらに、異議審理庁による調査の際にも虚偽の資料を提出するなどしている事実が認められる。これらの事実に照らすと、請求人は、課税標準又は税額等の計算の基礎となる事実を仮装し確定申告書を提出したというべきであり、また、少なくとも申告当初から、真実の所得金額を隠ぺいしようという確定的な意図の下に、必要に応じ事後的に隠ぺいすることをも予定しつつ、多額の所得金額を脱漏し、所得金額をことさら過少に記載した内容虚偽の確定申告書を提出したというべきであって、本件確定申告書の提出は、単なる過少申告行為にとどまるものではなく、国税の課税標準等の計算の基礎となる事実について、隠ぺいしたところに基づき確定申告書を提出した場合に該当するから、原処分庁が国税通則法第68条第1項に基づいてした重加算税の賦課決定処分は適法である。
平成11年10月29日裁決
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