請求人は、原処分が違法である理由として、[1]本件各申告書をその法定申告期限内にA社に引き渡しているのであるから、本件各申告書は期限内申告書であること、[2]国税通則法第66条の規定の趣旨は、納税者に正しい税額の計算と期限内納税を行わせるためのものであるところ、請求人は本件各申告書に記載した納付すべき税額を法定期限内に完納していること、しかも、同条の規定自体が、納税額がある者だけに課されるなど不合理なものであり法改正されてしかるべきであること、を主張する。
しかしながら、納税者から納税申告書が提出された場合、いつの時点をもって提出日とするかについては、原則として申告書が税務官庁に到達した日(到達主義)と解されており、また、この到達主義の例外として、国税通則法第22条は、納税申告書が郵便又は信書便により提出された場合には、その通信日付印により表示された日に提出されたとみなす旨規定しているところ、本件各申告書の提出日については法定申告期限の翌日に原処分庁に到達していることが認められ、また、A社は信書便事業者ではないので信書便により提出された場合に該当しないことから、本件各申告書を法定申告期限内に提出したとする請求人の主張には理由がない。
次に、無申告加算税の規定は、納税申告書の提出が期限内にされなかった場合の行政上の制裁として設けられたものであるから、納税申告書に記載された納付すべき税額が法定納期限内に完納されたか否かということで、その適用が左右されるものではなく、この点に関する請求人の主張は採用できない。
なお、国税通則法第66条の規定は合理性がないもので法改正されてしかるべきものである旨の主張については、当審判所の権限外のことであり審理の限りでない。
平成17年1月28日裁決
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