請求人は、法定申告期限内に適正な確定申告ができなかったのは、本件承認申請に対する国税庁長官からの不承認通知が法定申告期限までになかったからであり、また、通知が法定申告期限までにない場合は、原処分庁が請求人に対し、譲渡所得の申告が必要であることの指導をすべきであるが、その指導もなかったのであるから、国税通則法第65条第4項に規定する正当な理由があると認められるものがある場合に該当する旨主張する。
しかしながら、法人に対する資産の贈与は、所得税法第59条の規定により譲渡所得の課税対象であることが認められ、譲渡所得の申告が必要なことは明らかである。そして、請求人が租税特別措置法第40条の規定に基づく承認申請書を国税庁長官に提出したからといって、譲渡所得が非課税となるものではなく、国税庁長官の承認を受けたものについて非課税となるにもかかわらず、請求人は、譲渡所得の申告をしなかったことが認められる。請求人が法定申告期限までに譲渡所得の申告を行わなかったのは、不承認の通知があるまで譲渡所得の申告は必要がないとの請求人の誤った税法解釈に基づくものであり、また、当初の申告に誤りがあったとしても、それは納税者自身の責任においてされたものであり、これについて原処分庁が請求人に申告内容を正すという指導をしなかったからといって、請求人の納税義務に影響を及ぼすものではなく、正当な理由には該当しない。
平成15年2月28日裁決
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