請求人は、法人税申告書別表一(一)の翌期繰越欠損金欄の記載金額そのものが更正処分の対象となる純損失等の金額であるから、たとえ、誤って記載された金額であっても、それが更正されていなければ、翌期繰越欠損金として確定し、翌期以降の事業年度において、前期から繰り越された欠損金額として控除できる旨主張する。
しかしながら、更正の対象となる純損失等の金額とは、法人税の場合、その事業年度以前の法人税申告書別表一(一)の欠損金額欄に記載された金額のうち、法人税法の規定により、翌事業年度以後の事業年度分の所得の計算上順次繰り越して控除できる金額であり、その金額は翌期繰越欠損金欄の記載金額に影響されるものではないから、誤って記載された金額を基に控除することはできず、請求人の主張には理由がない。
なお、法人税法57条によれば、繰越控除の対象となる青色欠損金額を法人税申告書に記載することは、その適用要件とされておらず、当該金額は各事業年度の正当な欠損金額を基として算定されるものであり、翌期繰越欠損金欄の記載は以後の所得計算の便宜のものにすぎないと認められる。
平成14年3月13日裁決
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