請求人は、昭和62年に調査を受けて、印刷設備の減価償却費の計算誤りがあったなどとして修正申告をしたが、その際、その時点における修正申告のしょうように関する具体的状況は明らかでなく、仮に、請求人の主張するとおりの指導があったとしても、修正申告のしょうようをもって、直ちに納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したとはいえず、また、請求人がその後毎年提出した確定申告書が、原処分庁によって受理され、これまでの調査において中古の印刷設備の耐用年数について何ら是正を求められなかったからといって、原処分庁が請求人の減価償却費の計算方法について積極的に是認したとはいえず、信頼の対象となるべき公的見解が表示されたとも認められない。
さらに、本件各更正処分は、本件各中古印刷設備の耐用年数の適用誤りがあったことから行われた適正な課税処分であり、その結果、請求人は、法律の規定に従って正当な法人税額を負担することになったにすぎず、請求人が本件各更正処分を受けたことにより、特に経済的不利益を被ったとは認められない。
以上のことからすれば、本件各更正処分には、信義則に反するとして取り消すような違法は認められない。
平成20年9月9日裁決
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