請求人は、前回調査担当者の指導内容に反する本件更正処分は、信義則の適用により取り消されるべき旨を主張する。
しかしながら、課税処分について、信義則を適用し租税法規に適合する課税処分を違法なものとして取り消すのは、納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしても、納税者の信頼を保護しなければならないという特別な事情がある場合と解すべきところ、[1]本件更正処分は、消費税法に基づいた適正な処分であり、その結果、請求人は正当な税額を負担することになったにすぎないこと、[2]本件更正処分に伴う加算税の賦課決定処分は、前回調査担当者の指導に誤りがあったことを理由に取り消されていること、[3]仮に、本件更正処分を取り消した場合には、請求人だけが正当な課税を免れ、かえって租税平等の原則に反する不当な結果を生ずることとなることからみれば、本件においては、納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしても、納税者の信頼を保護しなければならないという特別な事情があるとは認められず、本件更正処分を、信義則の適用によって取り消すのは相当ではない。
平成16年12月14日裁決
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