請求人は、請求人の贈与税及び相続税の申告書はいずれも請求人が関知しないものであるなどとして、これらの申告書による各申告は無効であるから、贈与税及び相続税の更正の請求を認めるべきである旨主張する。
しかしながら、贈与税及び相続税の更正の請求については、国税に共通の更正の請求の規定である国税通則法第23条第1項及び第2項と、贈与税及び相続税に特有の更正の請求の規定として相続税法第32条が規定されており、それ以外には規定はないところ、国税通則法第23条第1項各号に規定する更正の請求が認められる事由は、いずれも当該申告書に記載した、課税標準等若しくは税額等(第1号)、純損失等の金額(第2号)及び還付金の額に相当する税額(第3号)の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったこととされており、当該申告書及びその申告自体が無効であることは更正の請求の事由とされていない。
また、国税通則法第23条第2項各号に規定する事由も、その申告の基礎となった事実に関する訴えについての判決等により当該基礎となった事実が申告と異なることとなったこと等であり、いずれも、その申告自体が無効であることは更正の請求の事由とされていない。
さらに、相続税又は贈与税の申告書を提出した者に係る更正の請求の特則である相続税法第32条に規定する更正の請求が認められる事由も、同条各号のいずれかに該当する場合であって、かつ、その申告に係る課税価格及び相続税額又は贈与税額が過大となったときとされているので、その申告自体が無効であることは、更正の請求の事由とされていない。
したがって、請求人が主張する「申告の無効」はこれら更正の請求の事由には該当しないので、「申告の無効」を事由とした更正の請求はいずれも不適法であり、請求人の主張は採用することができない。
《参照条文等》国税通則法第23条第1項、第2項相続税法第32条
平成22年4月1日裁決
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