裁決事例集 No.33 - 1頁
現金主義による所得計算の特例の制度は、小規模な個人事業者のうちには発生主義によって所得金額を計算することになじめない者が多く、青色申告の帳簿書類の簡素化とあいまって設けられたもので、納税者の税負担の軽減を目的としたものではない。また、同特例を選択することは納税者の任意であるが、所得税法施行令第197条第2項により、その適用を受けることをやめようとする場合には、その年の3月15日までにその旨の届出書を提出しなければならない旨規定されているから、同特例を選択した場合、その適用をやめる手続を踏まなければ発生主義による所得計算をすることができないところ、請求人は係争年分について上記手続をしていない。したがって、請求人が係争年分の事業所得の金額を現金主義により計算したことは、所得税法の規定に基づいた適法な計算であり、当該計算に誤りがあったことも認められないから、更正の請求には理由がない。
昭和62年2月26日裁決
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