財産評価基本通達185のかっこ書に定める「通常の取引価額」について、原処分庁は、本件建物は相続開始日の約2年前に取得され取得価額が明らかであることから、この取得価額を基に減価償却費相当額を控除した金額、すなわち評価会社の帳簿価額により評価するのが相当である旨主張し、請求人は、請求人が求めた鑑定評価書の鑑定評価額によるべきである旨主張する。
しかしながら、本件鑑定評価額は、その価格時点を本件相続開始日とし本件建物の再調達原価を求めた上、これを減価修正し、更に借家権の割合を控除して貸家の用に供されているものとして算出されているところ、その鑑定根拠については当審判所が調査した結果、特に不相当と認められる要素はない。
そうすると、本件鑑定評価額は帳簿価額よりも時価を反映したものとして、これをもって財産評価基本通達185のかっこ書にいう「通常の取引価額」と認めるのが相当である。
平成10年6月5日裁決
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