被相続人が本件出資の取得に際し、著しく低額な価額で現物出資を行ったことは、多額の評価差額を創り出し、これを形式的に財産評価基本通達185を適用して法人税額等相当額を控除して計算することにより、相続税の負担の軽減を図るためのものであると推認されるところ、この場合に法人税額等相当額を控除して評価することは、他の納税者との間の実質的な租税負担の公平という観点からして看過ごし難いといわざるを得ず、加えて、税負担の累進性を補完するとともに富の再配分機能を通じて経済的平等を実現するという相続税法の立法趣旨からしても著しく不相当というべきであるから、本件には、財産評価基本通達に定める原則的な評価方法によらないことの特別な理由があると認められる。
したがって、本件出資は、法人税額等相当額を控除せずに評価することが妥当である。
平成10年4月24日裁決
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