請求人は、甲土地については、傾斜度が30度を超える土地であることから評価通達に定める方式ではなく個別評価が相当であり、評価額はゼロである旨、乙土地については、不動産業者の買取見積り価額1億円による評価が相当である旨主張する。
しかしながら、甲土地はその形状等により、宅地開発する場合には多額の造成費を要すると見込まれ、仮に宅地に転用したとしても十分な地積を確保することができず、宅地としての客観的交換価値があると認めることはできない。そうすると宅地比準方式により甲土地を評価することは、その結果において適正な客観的交換価値と乖離する価額を導くことになるから、評価通達を適用して評価することには特に不都合と認められる特段の事情があると解するべきである。そして、甲土地の価額は、甲土地とその状況が類似する土地で本件相続開始日に近い時点において売買された土地の正常価格がその客観的な交換価値を正しく示すものと解すべきところ、本件譲渡土地の1あたりの価額983円に甲土地の地積124を乗じた価額である121,892円とするのが相当である。
乙土地については、評価通達の定めを適用して評価することに特に不都合と認められる特段の事情は認められないから、[1]正面路線価、[2]広大地及び有効宅地化率、[3]宅地造成費、[4]不整形地補正率のそれぞれについて評価通達の定めを適用して乙土地の価額を算定すると、102,594,240円となる。
平成14年3月27日裁決
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