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青色申告(所得税:青色事業専従者給与)で節税

*青色申告(所得税:青色事業専従者給与)で節税する。
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カテゴリ: 所得税 
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親族への給与

 原則的に、親族への給与は必要経費になりませんが、以下の2つについては特例的に認められています。
  1. 専従者給与(*青色事業専従者給与)
  2. 専従者控除(*事業専従者控除額)
No.2075 専従者給与と専従者控除 | タックスアンサー(国税庁)

専従者給与と専従者控除の違い(メリット)

 専従者控除との違いは以下の通りで、青色申告書を提出する個人の場合、親族への給与を専従者給与として全額経費計上できるというメリットがあります。
項目 専従者給与 専従者控除
申告方式 青色申告 白色申告
事前届出 必要 不要

親族(配偶者) 全額経費 86万円
親族(配偶者以外) 50万円
親族以外 全額経費

 なお、専従者給与や専従者控除の適用を受けた場合、配偶者控除や扶養控除等を重複して受けることができません。

専従者給与の要件

 専従者給与として認められる要件は以下の通りです。
  1. 以下の全要件に該当する者へ支払われた給与。
    1. 青色申告者と生計を一にする親族。
    2. その年の12月31日で15歳以上。
    3. 6ヶ月を超える期間、青色事業に専ら従事。
  2. 青色事業専従者給与に関する届出書を、その年の3月15日までに提出していること。
  3. 届出書の記載方法によって、記載金額の範囲内で支払われていること。
  4. 労務の対価として相当額が上限。(*過大分は必要経費とならない)

 この中で問題になりやすいのが、上記1.の3.の「青色事業に専ら従事」と、上記4.の「労務の対価として相当額」です。

専従者給与の要件(青色事業に専ら従事)

 「青色事業に専ら従事」を満たすためには、原則的に他の仕事を6ヶ月以上することができません。勤務日数ではなく、勤務期間で判断されることに注意する必要があります。
 なお、他の仕事の勤務期間に関しては以下のような除外規定があります。税務署による事実認定なので、適用を希望する場合は、税務署に事前相談することをお勧めします。(所得税法施行令第165条第2項第二号)
「その職業に従事する時間が短い者その他当該事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者を除く」
第九款 専従者控除(第百六十四条―第百六十七条)|所得税法施行令

 例えば、週1日8時間のアルバイトやパートを、その年に6ヶ月以上した場合には「6ヶ月を超える期間」に抵触する可能性があります。逆に言えば、青色事業に6ヶ月以上従事して、週6日のアルバイトが6ヶ月未満であれば、専従者給与として認められることになります。

 非常勤役員を兼務している場合は、その会社から役員報酬を受け取っていても、原則的に専従者給与として認められます。ただし、役員報酬が専従者給与より過大な場合には、「特例」という専従者給与の性格上、認められない可能性が高いと思われます。

専従者で節税する(労務の対価として相当額)

 労務の対価として相当額が否かについては、所得税法施行令第164条に基準が明記されています。
第九款 専従者控除(第百六十四条―第百六十七条)|所得税法施行令
  1. 労務に従事した期間
  2. 労務の性質や提供の程度
  3. 他の従業員の給与
  4. 類似する規模の同業者の従業員の給与
  5. 事業の種類・規模・収益の状況

 他に従業員を雇っている場合は、上記3.の従業員の給与が一般的な基準となります。また、専従者しか雇っていない場合は、上記4.の同業者の給与が一つの基準となりますが、例えば上記5.の事業収益をベースに「事業収益×労働分配率(50%前後)」を給与総額の上限にすることも可能だと思われます。

 一般的な基準を超えて支給する場合には、しかるべき理由が必要になります。
 例えば、専従者に資格や技能がある場合や、専従者が高収益部門に従事している場合などです。これらのケースは、上記2.の労務の性質に該当するので、一般的な基準を超えて支給しても問題ないと思われます。
 また、専従者の性格上、業務時間外にも労働に従事しなければいけないケースも考えられます。例えば、職場と自宅が一緒の場合や事業用の携帯電話を保有している場合などです。これらのケースは、上記2.の労務の提供の程度に該当するので、一般的な基準を超えて支給しても問題ないと思われます。この場合、作業日報等の事実関係書類の作成を強くお勧めします。

 上記をベースに専従者給与を定めると共に、「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載して、事前に税務署に届け出なければなりません。金額に変更がある場合も必ず届け出ます。
 届出書には専従者別に「仕事の内容・従事の程度」を記入する必要があります。一般的な基準を超えて支給する場合には、その理由を具体的に明記することをお勧めします。

 なお、届出書に記載する金額は上限なので、専従者給与を少なく支給しても問題ありません。金額にある程度余裕を持たせておくと、弾力的な節税手段として活用できます。

[手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続
www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/...
[手続名]青色事業専従者給与に関する変更届出手続
www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/...

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