第62条の2関係 電子記録債権の差押えの手続及び効力発生時期|国税徴収法
基本通達(国税庁)
差押手続
(電子記録債権)
1 法第62条の2第1項の「電子記録債権」とは、電子債権記録機関が作成する記録原簿に電子記録をしなければ発生又は譲渡の効力が生じない金銭債権をいう(電子記録債権法第2条第1項、第3条参照)。
(注) 電子記録債権は、電子記録債権を発生させる原因となった法律関係に基づく債権とは別個の金銭債権である(第62条関係15-2参照)。
(電子債権記録機関)
2 法第62条の2第1項の「電子債権記録機関」とは、電子記録債権法第51条第1項《電子債権記録業を営む者の指定》の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう(同法第2条第2項)。
(差押えの手続)
3 電子記録債権の差押えは、第三債務者及び電子債権記録機関に債権差押通知書を送達して行う。
なお、債権差押通知書の送達を受けた電子債権記録機関は、遅滞なく、その差押えの電子記録をしなければならない(電子記録債権法第49条第1項)から、電子債権記録機関に対して差押えの記録を嘱託する必要はない。
(債権差押通知書)
4 法第62条の2第1項の「債権差押通知書」は、令第27条第2項各号《債権差押通知書の記載事項》に掲げる事項を記載した規則第3条《書式》に規定する別紙第4号及び第4号の2の書式による。
なお、第三債務者に対しては滞納者に対する債務の履行を禁ずる旨及び徴収職員に対しその履行をすべき旨を、電子債権記録機関に対しては電子記録債権につき電子記録を禁ずる旨を記載しなければならない(法第62条の2第2項、令第27条第2項第3号、第4号)。
(差押調書)
5 電子記録債権を差し押さえたときは、法第54条《差押調書》の規定により、差押調書を作成し、その謄本を滞納者に交付する。この謄本には、電子記録債権の取立てその他の処分を禁ずる旨のほか、電子記録債権の電子記録の請求を禁ずる旨を付記しなければならない(法第62条の2第2項、令第21条第3項第2号)。
差押えの効力
(効力発生の時期)
6 電子記録債権の差押えは、債権差押通知書が電子債権記録機関に送達された時にその効力が生ずるが、第三債務者との関係においては、債権差押通知書が第三債務者に送達された時にその効力が生ずる(法第62条の2第3項)。この場合において、滞納者に対する差押調書の謄本の交付は、差押えの効力発生要件ではないが、法第54条《差押調書》の規定により、滞納者に交付しなければならないことに留意する。
(注) 振替社債等の差押えは、債権差押通知書が振替機関等に送達された時にその効力が生ずることとされ(法第73条の2第3項)、電子記録債権のように第三債務者に対する差押えの効力発生時期は別に設けられていない。
(差押えの効力)
7 電子記録債権の差押えにより、滞納者はその電子記録債権の取立てその他の処分又は電子記録の請求が禁止され、第三債務者はその電子記録債権の履行が禁止され、電子債権記録機関はその電子記録債権に係る電子記録が禁止される(法第62条の2第2項、令第21条第3項第2号、第27条第2項第3号、第4号)。
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/chosyu/index.htm
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