特約の付された株券貸借取引に係る特約権料等の課税上の取扱い|譲渡所得

[特約の付された株券貸借取引に係る特約権料等の課税上の取扱い]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 特約の付された株券貸借取引は、株券貸借取引に、特約権(株券を買い取る権利)を金融商品取引業者に付与する特約権取引(店頭デリバティブ取引(金融商品取引法2条22項))を付加した取引です。
 本取引は、金融商品取引業者が一定期間、株券を投資家から借り受け、特約権行使日における当該株券の時価が特約価格(当該株券の金融商品取引業者の買取り価格)を超える場合には、金融商品取引業者は特約権を行使して当該株券を特約価格にて投資家から買い取り、一方、特約権行使日における当該株券の時価が特約価格を下回る場合には、金融商品取引業者は特約権を放棄して当該株券と同種、同等、同数の株券を投資家へ返還する取引です。金融商品取引業者は、賃借料及び特約権料を取引終了日(特約権行使日の4営業日後)に投資家に支払うとともに、株券発行会社から金融商品取引業者へ配当金の支払があったときには、当該配当金相当額を配当代わり金名目で投資家に支払います。
 この場合、金融商品取引業者による特約権の行使により、投資家が、株券の返還に代えて金銭の支払を受けたときには、その時に当該株券の譲渡があったものとして、譲渡所得の計算をし、金融商品取引業者による特約権の放棄により、投資家が、当該株券と同種、同等、同数の株券の返還を受けたときには、当該株券の譲渡はなかったものとして取り扱ってよいでしょうか。
 また、投資家が支払を受ける賃借料、特約権料及び配当代わり金は、何所得となりますか。

【回答要旨】

1 株券の譲渡

 株券貸借取引は、金融商品取引業者が取引終了日に、投資家から借り受けた株券と同種、同等、同数の株券を投資家へ返還することを約する取引であり、その実態は「消費貸借」(民法587)であると認められることから、金融商品取引業者の特約権の放棄により投資家が当該株券と同種、同等、同数の株券の返還を受けたときには、当該株券の譲渡はなかったものとして取り扱われます。
 一方、金融商品取引業者の特約権の行使により投資家が当該株券の返還に代えて金銭の支払を受けたときには、当該株券の譲渡があったものとして、譲渡による所得の収入すべき時期となります(指通37の10-1(1))。

2 賃借料及び配当代わり金

 賃借料は、株券貸借取引から生ずる果実であることから、所得税法第23条(利子所得)から同法第34条(一時所得)に掲げる所得に該当せず、雑所得となります。また、配当代わり金についても、株主たる地位に基づいて受ける配当金ではなく、株券貸借取引から生ずる果実であることから、配当所得には該当せず、賃借料と同じく、雑所得となります。

3 特約権料

 特約権取引は、「店頭デリバティブ取引」であり、特約権料は、取引終了日(特約権行使日の4営業日後)に、特約権行使の場合の買取代金、又は、特約権放棄の場合の返還される株券とともに、当該特約権取引の対価として金融商品取引業者から投資家へ支払われるものです。
 投資家が支払を受けるこの特約権料は、金融商品取引業者による特約権の行使により株券が買い取られたときには、売却代金に加算して譲渡収入金額の一部として取り扱い、特約権の放棄により当該株券と同種、同等、同数の株券の返還を受けたときには、雑所得となります。

【関係法令通達】

 租税特別措置法関係通達37の10-1(1)
 所得税基本通達36−12
 金融商品取引法第2条第22項
 民法第587条

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/22/01.htm

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