権利変換を希望しない旨の申出をしないで取得した補償金|譲渡所得
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
S市の駅前商店街は、組合施行による市街地再開発事業を行うべく、県知事の認可を受けて市街地再開発組合を設立しました。
この市街地再開発事業では、施行地区内に店舗兼住宅を有している者については、従前の建物のうち住宅部分については施設建築物の一部等を与えないこととします。
ところで、施行地区内に店舗兼住宅を有している者は、組合施行のため事業内容を了知しているので、その住宅部分について都市再開発法第71条に規定する権利変換を希望しない旨の申出をしませんでした。
この場合、施設建築物の一部等を与えられないことにより取得する補償金については、都市再開発法第71条の申出をして取得したものではありませんが、その申出をしなかったのは、事前に事業計画を知っていたためですから、組合設立についての同意又は権利変換計画の同意をもって、同条に規定する申出があったものとし、収用等の場合の課税の特例を適用することができますか。
【回答要旨】
申出のとおり取扱うことはできません。
(理由)
権利変換計画においては、都市再開発法第71条第1項の申出をした者を除き、施行地区内に借地権を有する者及び施行地区内の土地の権原に基づき建築物を所有する者に対して、施設建築物の一部等が与えられるように定めなければなりませんが、市街地再開発組合は施行地区内の土地又は物件に関し権利を有する者のすべての同意を得たときは、これによらないことができることとされています。しかし、この場合であっても、同法第71条の規定を排除していないので、たとえ事業計画により施設建築物の一部等を与えられないことが判明しているとしても、収用等の場合の課税の特例の適用上、手続きをとったものとみなすことはできません。
【関係法令通達】
租税特別措置法第33条第1項第3号の2
租税特別措置法施行令第22条第11項
都市再開発法第14条、第16条、第19条、第71条、第77条、第100条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/14/36.htm
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