退職所得で節税
税制優遇措置のある退職所得で節税する。退職所得の計算や税額、退職金で節税する実例、退職金に関する規程サンプルなど。

所得税更正処分取消等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成24年(行ウ)第280号)|平成26(行コ)6

[所得税法][一時所得][相続税法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成26年6月18日 [所得税法][一時所得][相続税法]

判示事項

1 父親の死亡に伴い父親が会員であった社団法人の共済制度に基づき受給した死亡共済金は,相続税法9条のいわゆるみなし贈与財産に該当しないとされた事例
2 父親の死亡に伴い父親が会員であった社団法人の共済制度に基づき受給した死亡共済金を一時所得として所得税の課税対象とするに際し,納付済みの共済負担金を控除しなかったことに違法がないとされた事例

裁判要旨

1 相続税法9条の趣旨は,実質的にみて贈与又は遺贈を受けたのと同様の経済的利益を享受している者がいる場合に,租税回避行為を防止するため,税負担の公平の見地から,その取得した経済的利益を受けさせた者からの贈与又は遺贈によって所得したとみなすことにあると解されるところ,同条にいう「対価を支払わないで…利益を受けた場合」というには,贈与と同様の経済的利益の移転があったこと,すなわち,一方当事者が経済的利益を失うことによって,他方当事者が何らの対価を支払わないで当該経済的利益を享受したことを要するとした上,父親の死亡に伴い父親が会員であった社団法人の共済制度に基づき受給した死亡共済金は,会員の相互扶助を目的とする各種共済金の1つであって,父親が納付していた負担金も,共済金の受給資格に関するものとして一定とされ,共済金の額も会員が支払った負担金の額とは全く連動しない一定の額とされ,退会の際は原則として返還されないというのであるから,贈与と同様の経済的利益の移転があったとは認められず,同条にいういわゆるみなし贈与財産に当たらないとした事例
2 父親の死亡に伴い社団法人の共済制度に基づき受給した死亡共済金を一時所得として所得税の課税対象とするに際し,納付済みの共済負担金を控除しなかったことについて,所得税34条2項が,一時所得の収入額から「収入を生じた行為をするため,又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額」を控除することとした趣旨は,一時所得に係る収入を得た個人の担税力に応じた課税を図るため,その収入を得た個人の担税力を減殺させる支出に当たる部分を一時所得の金額の計算上控除することにあるから,「収入を生じた行為をするため,又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額」とは,その収入に直接対応する支出に限られ,その収入との個別的対応関係が不明な支出は含まれないと解すべきところ,前記共済制度に基づく死亡共済金は会員の相互扶助を目的とする共済金の1つであって,前記共済負担金も,死亡共済金の額とは全く連動せず,退会すれば返還も受けられないというのであるから,死亡共済金との個別的対応関係が明らかでなく,死亡共済金の受給に直接対応する支出ではないと言わざるを得ず,一時所得の算定に際し,前記共済負担金を控除しなかったことに違法はないとした事例
裁判所名
大阪高等裁判所
事件番号
平成26(行コ)6
事件名
所得税更正処分取消等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成24年(行ウ)第280号)
裁判年月日
平成26年6月18日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
所得税更正処分取消等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成24年(行ウ)第280号)|平成26(行コ)6

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