同居している請求人の妻の父母が独立した生計を営んでいるとはいえないから、同父母に支払った給料及び地代は必要経費に算入することはできないとした事例
[所得税法][必要経費][事業所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1993/12/17 [所得税法][必要経費][事業所得] 所得税法第56条にいう「生計を一にする」とは、同一の生活共同体に属して日常生活の資を共通にしていることをいい、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる特段の事情があるときを除き、これらの親族は生計を一にするものと解される。
本件においては、請求人と妻の父母とは同一の家屋に居住していると認められ、また、家事上の共通経費についての実費精算が行われているとする事実が認められないことから、請求人らと同父母とが、互いに独立した生計を営んでいると認められる特段の事情は認められない。
そうすると、原処分庁が、同父母に支払った給料及び地代を必要経費の額に算入しなかったことは相当である。
なお、退職金の支給額、修繕費の計上漏れ等を必要経費の額に算入する等の結果、原処分の一部を取り消すべきである。
平成5年12月17日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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