配当還元方式により評価する新株の価額を増資前の著しく高い配当率によらず増資後の安定した配当率を基として算定した事例
[所得税法][収入金額][収入金額の計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1981/04/27 [所得税法][収入金額][収入金額の計算]裁決事例集 No.22 - 49頁
請求人が株主たる地位に基づかないで増資新株の割当てを受けたことについては、当該新株につき額面金額による買戻しの約定又は譲渡制限があったとしても有利な発行価額による経済的利益の享受があったとみるべきであり、当該経済的利益の額の計算の基礎となる新株の価額については、本件株式の所有の実態からみて利益配当がどの程度期待できるかということが主要な価値的判断要素となるから、配当金を一定の利率で還元して元本たる株式の価額を求める配当還元方式により評価するのが客観的で合理的であると認められるところ、その配当率については、増資前2年間の平均175パーセントという高い配当率は、増資後もそのまま継続するという保証のないものであって適当でなく、増資後4年間の平均20パーセントという一般的で将来も期待し得る配当率によるのが相当である。
昭和56年4月27日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 配当還元方式により評価する新株の価額を増資前の著しく高い配当率によらず増資後の安定した配当率を基として算定した事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(所得税法>収入金額>収入金額の計算)
- 譲渡の対価として代替地及び建物の交付の要求に対し、譲受人は代替地を購入して建物を建築して渡していることから、譲渡収入の金額は、代替地と建物建築価額の合計額になるとした事例
- 本件土地の売買に際し、請求人は確定申告した売買代金以外にも金銭を受領した事実があるとしてなされた更正処分について、その事実を認めるに足りる証拠はないとして、その全部を取り消した事例
- 本件有限会社に対する上場会社株式の現物出資に係る譲渡所得の収入金額は、その出資により取得した出資持分の価額であり、この価額は、本件有限会社の状況等に照らし、純資産価額によって評価するのが相当であるとした事例
- 受領済の役員報酬につきそ及して減額する旨取締役会で決議したことにより、給与所得の収入金額が過大であるとしてされた更正の請求は、同決議に基づき受領済の報酬の一部を返還しても、請求人の既に確定した給与所得の収入金額には影響を及ぼさないから、更正をすべき理由がない旨の原処分は適法であるとした事例
- 土地建物の譲渡に際し、架空の中間譲渡人を介在させて譲渡収入金額の圧縮を計ったとして、最終買受人の購入価額を譲渡収入金額と認定した原処分を相当と認めた事例
- 不動産の譲渡について、中間譲渡人は存在せず、請求人から直接所有権移転登記上の譲受人に譲渡されたものであるとして、譲渡価額を認定した事例
- 買主が売主に交付する金銭の額と買主が負担する売主の譲渡所得税相当額との合計額をもって土地の売買価額とする旨の特約条項付の売買契約に係る「売買価額」を一定の算式により計算し、その計算後の価額が著しく低い価額の対価の譲渡に該当するとした事例
- 遅延損害金債務の債務免除益について、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合」に該当しないとして、所得税基本通達36−17《債務免除益の特例》は適用されないとした事例
- 請求人が敷金を返還した事実は認められないから、当該敷金相当額は請求人の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきである旨の原処分庁の主張を排斥した事例(平成22年分〜平成24年分の所得税の過少申告加算税の各賦課決定処分、平成22年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成23年分〜平成24年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却、一部取消し・平成27年11月4日裁決)
- 借地人以外の第三者に対する貸地の譲渡が著しく低い価額の対価による譲渡に該当するものではないとした事例
- 外国市場で売却した株式代金の売却約定時の邦貨換算は同日の対顧客電信買相場(TTBレート)により、代金決済時の邦貨換算は先物為替予約レートによるのが相当であるとした事例
- 不動産の賃貸借契約に係る保証金のうち、契約解除に伴い返還を要しないこととされた金額は、不動産所得の収入金額であり、臨時所得に該当するとした事例
- 建物の建築代金の支払に代えて引き渡した土地の譲渡価額について、請負契約書の金額によらず鑑定評価額によるのが相当であるとした事例
- 固定資産を交換した場合の譲渡収入金額について、当該取得資産の状況類似地域における売買実例価額を基として算定すべきものであるとした事例
- 請求人が時効取得した旧国有地の時価(一時所得の収入金額)は、国有財産評価基準に基づき評価した価額とするのが相当であるとした事例
- 土地賃貸借契約の存否の争いに関する慰謝料名義の金員について、その実質は、貸地の権利金であると認定した事例
- 山林を造成して譲渡した場合の譲渡所得の収入金額とすべき金額の算定に当たり、共同造成地内の山林の売買価額を基礎とすべきであるとした事例
- 本件土地の買主をG社、売買価額を17,130万円と認定した本件更正処分及び重加算税の賦課決定処分は適法であるとして、請求人の主張を排斥した事例
- 代償分割により、共同相続人の一人が所有する土地を他の相続人に交付したことによる譲渡所得の収入すべき金額は、その土地の時価によるべきとした事例
- 本件譲渡は、中間譲受人に利得させることを意図した不自然なものであり、実質的には、請求人から最終譲受人に対し直接なされたものであるとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。