専任媒介契約に基づき受領した仲介手数料は、既に、媒介に係る取引当事者間の不動産売買契約が締結され、当該契約の効力は生じているから、当該仲介手数料を受領した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであるとした事例
[法人税法][所得金額の計算][収益の帰属事業年度]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1991/06/05 [法人税法][所得金額の計算][収益の帰属事業年度]裁決事例集 No.41 - 169頁
請求人は、本件不動産売買契約は、[1]売買の対象となった土地及び建物のうち、建物は建築予定のものであっていまだ存在しないから、この部分は売買契約の効力が有効に成立していないこと、[2]建築予定の建物については、売買契約となっているが、請負契約と解すべきであること、及び[3]将来、建物が完成した場合に本契約を成立させるという売買予約又は建物完成を停止条件とする停止条件付売買契約とみるべきであることを理由に、媒介に係る役務の提供はいまだ完了していないから、当該売買契約後に受領した仲介手数料に係る収益は、受領日の属する事業年度の益金にはならないと主張するが、[1]建築予定の建物であっても、建築図面、仕様書き等から当該建物を目的物として特定可能な場合には売買契約は有効に成立すること、[2]本件不動産売買契約の形式及び内容からいっても請負契約と解すべき余地はないこと、及び[3]同様に売買予約又は建物完成を停止条件とする停止条件付売買契約とみるべき余地はないことから、本件不動産売買契約は有効に成立し、その効力は発生しているので、媒介に係る役務の提供は完了しているというべきである。したがって、請求人の受領した仲介手数料は、受領日の属する事業年度の益金の額に算入される。
平成3年6月5日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 専任媒介契約に基づき受領した仲介手数料は、既に、媒介に係る取引当事者間の不動産売買契約が締結され、当該契約の効力は生じているから、当該仲介手数料を受領した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであるとした事例
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