法人の税額控除(雇用促進)で節税
法人の税額控除(雇用促進)で節税する。雇用促進税制や所得拡大税制に関する税額控除について。

所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成17年(行ウ)第151号,同第152号)|平成20(行コ)45

[所得税法][給与所得][退職所得][一時所得][過少申告加算税]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成20年12月19日 [所得税法][給与所得][退職所得][一時所得][過少申告加算税]

判示事項

1 勤務先の親会社である外国法人の株式を無償で取得することができる権利であるストックアワードを付与されていた納税者が,当該権利に係る株式を売却して得た利益につき,当該ストックアワードの「vest」の時点における当該株式の時価相当額が,所得税法36条1項にいう「収入すべき金額」として,課税対象になるとされた事例
2 勤務先の親会社である外国法人の株式を無償で取得することができる権利であるストックアワードを付与されていた納税者が,当該権利に係る株式を売却して得た利益の一部を退職時の一時所得として所得税の確定申告をしたところ,当該経済的利益は給与所得に該当するとして,更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受けたことから,これらの取消しを求めた請求が,棄却された事例

裁判要旨

1 勤務先の親会社である外国法人の株式を無償で取得することができる権利であるストックアワードを付与されていた納税者が,当該権利に係る株式を売却して得た利益につき,所得税法は,現実の収入がなくても,その収入の原因である権利が確定的に発生したときは,その時点で所得の実現があったものとして,当該権利発生の時期の属する年分の課税所得を計算する,いわゆる権利確定主義を採用しているものと解されるところ,前記ストックアワードが「vest」された時点(前記勤務先会社が作成したストックアワードに関する所得についての確定申告書作成のガイドラインにおいては「権利確定」とされている時点)で,これを付与された従業員等は,前記ストックアワードに係る株式等の受益所有権を取得し,受託者に指示して当該株式等の売却を行うこと,配当を受領すること,議決権を行使すること等ができるものとされており,その受益所有権をストックアワードの「vest」により,その「vest」時に特段の意思表示等を要せずに自動的に取得する仕組みがとられているものと解されることから,当該従業員等は,「vest」時において,当該株式の時価相当額である経済的利益を享受する権利を確定的に取得し,当該経済的利益が,所得税法36条1項にいう「収入すべき金額」として,課税対象になるとした事例
2 勤務先の親会社である外国法人の株式を無償で取得することができる権利であるストックアワードを付与されていた納税者が,当該権利に係る株式を売却して得た利益の一部を退職時の一時所得として所得税の確定申告をしたところ,当該経済的利益は給与所得に該当するとして,更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受けたことから,これらの取消しを求めた請求につき,前記ストックアワードを付与された従業員等は,当該ストックアワードの「vest」の時点(前記勤務先会社が作成したストックアワードに関する所得についての確定申告書作成のガイドラインにおいては「権利確定」とされている時点)において,当該株式の時価相当額である経済的利益を享受する権利を確定的に取得し,当該経済的利益が,所得税法36条1項にいう「収入すべき金額」として,課税対象になるところ,前記ストックアワードを付与する制度は,従業員等に対する精勤の動機付け(インセンティブ)とすることを企図した従業員報奨制度として設けられたものであって,前記ストックアワードに係る経済的利益は,前記外国法人から子会社の従業員である前記納税者の職務の遂行に対する対価としての性質を有するものであることが明らかであり,雇用契約又はこれに類する原因に基づき提供された非独立的な労務の対価として給付されたものとして,所得税法28条1項所定の給与所得に当たり,また,前記ストックアワードの一部については,前記納税者はこれが「vest」される前に退職し,退職後も当該ストックアワードは消滅せず,権利を保持し続ける旨の措置が執られているところ,当該ストックアワードに係る経済的利益が同法30条1項所定の退職所得に当たるというためには,それが退職すなわち勤務関係の終了という事実によって初めて給付されるものであることが必要であると解されるが,当該ストックアワードに係る制度は,当該従業員等に在職中に付与されていたストックアワードに関する権利をその同一性を保持したまま存続させる仕組みを採用しており,退職の時点で別のストックアワードを付与する仕組みではないことから,前記要件を欠き,給与所得に該当するとして,前記請求を棄却した事例
裁判所名
大阪高等裁判所
事件番号
平成20(行コ)45
事件名
所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成17年(行ウ)第151号,同第152号)
裁判年月日
平成20年12月19日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成17年(行ウ)第151号,同第152号)|平成20(行コ)45

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  1. 相続人間において相続財産の帰属について係争中である場合でも、国税通則法第65条“過少申告加算税”第4項の「正当な理由」があるとはいえないとした事例
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  11. 調査開始前に、請求人から関与税理士に従業員の横領行為発覚に伴う修正申告書の作成を依頼し、調査初日、同税理士から調査担当者に対して事実関係を説明するなどした後の修正申告書の提出は、「更正があるべきことを予知してされた」修正申告書の提出には当たらないとした事例
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  14. 国税通則法第65条第4項にいう「正当な理由があると認められるものがある場合」には、過少に税額を申告したことが納税者の税法の不知又は誤解であるとか、納税者の単なる主観的な事情に基づくような場合までを含むものではないとした事例
  15. 請求人による修正申告書の提出は、自発的な決意を有していたことが客観的に明らかであるから、更正があるべきことを予知してなされたものではないとした事例
  16. 還付申告書の提出による還付金を受け取っていない場合であっても、修正申告により還付金の額に相当する税額が減少する場合は過少申告加算税賦課の対象になるとした事例
  17. 過少申告となった原因は、単なる記載誤り及び法律に明示されていない事項の解釈誤りによるものであり、悪意がないから、社会通念的には「正当理由がある場合」に該当する旨の請求人の主張を排斥した事例
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