不動産(再建築費評点基準表)で節税
総務省の再建築費評点基準表(固定資産評価基準)や家屋再建築費評点計算書で節税する。家屋再建築費評点計算書の問題点や開示請求等について。

通知処分取消請求事件|平成19(行ウ)15

[所得税法][譲渡所得][租税特別措置法][国税通則法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成20年5月16日 [所得税法][譲渡所得][租税特別措置法][国税通則法]

判示事項

それまで認められていた土地建物等の譲渡損失を他の所得の金額から控除することを廃止する旨を定める租税特別措置法31条1項後段の規定(平成16年4月1日施行)を同年1月1日以後に行う譲渡について適用する旨を定める同法附則27条1項の規定が遡及立法に当たり,憲法84条に違反するとしてした,所得税の更正請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

それまで認められていた土地建物等の譲渡損失を他の所得の金額から控除することを廃止する旨を定める租税特別措置法31条1項後段の規定(平成16年4月1日施行)を同年1月1日以後に行う譲渡について適用する旨を定める同法附則27条1項の規定が遡及立法に当たり,憲法84条に違反するとしてした,所得税の更正請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分の取消請求につき,租税法規について安易に遡及立法を認めれば,租税に関する一般国民の予測可能性を奪い,法的安定性を害することになることから,同条は,特段の合理性が認められない限り遡及立法は許されないことを保障していると解されるとした上,遡及立法が禁止の対象とする行為は,過去の事実や取引を課税要件とする新たな租税を創設し,あるいは過去の事実や取引から生じる納税義務の内容を納税者の不利益に変更する行為であるところ,所得税を納付する義務は国税通則法15条2項1号により暦年の終了の時に成立し,納付すべき税額は所得税法120条により原則として確定申告の手続により確定し,損益通算は,年間における総所得金額等を計算する際に譲渡所得等の計算上の損失額を他の各種所得の金額から控除するものであって,個々の譲渡の段階において適用されるものではなく,対象となる譲渡所得の計算は,所得税法33条3項により1暦年を単位とした期間で把握されるものであり,個々の譲渡の都度されるものではないことからすると,前記租税特別措置法附則27条1項は遡及立法には該当しない上,同項の立法目的は,土地取引の活性化と株式取引等との不均衡是正の見地から,従来認められていた合理的とはいえない損益通算の制度の廃止等と長期譲渡所得税率引下げをパッケージとして,できるだけ早期に実施する必要があったことに加えて,これらの実施を翌年度まで遅らせれば,その間に節税をねらいにした不当な低価による土地取引が横行しかねず,これが資産デフレをもたらすとの懸念によるものであり,同項を含む同法の立法目的は正当なものであるといえ,また,前記損益通算の廃止は,使用収益に応じた適切な価格による土地取引を促進し,収益性の高い土地の流動性を高めて土地市場を活性化させることにより土地価格の下落に歯止めがかかることを期待したものであるから,合理性を有するものといえ,さらに,前記資産デフレの助長が現実味を帯びていたことなどからすると,同法をその成立,施行前に遡って適用する合理性及び必要性も肯定することができ,その公益性と納税者にもたらされる不利益とを比較した場合,明らかに納税者の不利益が上回るとはいえず,同項の内容が立法目的に照らして著しく不合理であるということはできないから,同項は憲法84条に違反しないとして,前記請求を棄却した事例
裁判所名
千葉地方裁判所
事件番号
平成19(行ウ)15
事件名
通知処分取消請求事件
裁判年月日
平成20年5月16日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
通知処分取消請求事件|平成19(行ウ)15

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  1. 原処分庁は、被相続人が各同族会社に対する債権を放棄していないのに、各同族会社の(実質的)経営者である請求人が債権放棄があったとする経理処理をした上で相続財産からこれら債権を除外して相続税の申告をしたとして重加算税を賦課したが、上記債権の一部は被相続人が実際に債権放棄をした可能性が認められるとして、原処分庁の事実認定を否定した事例(平成23年12月相続開始に係る相続税の重加算税の賦課決定処分・一部取消し・平成27年10月1日裁決)
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