請求人が建物補償金などの名義で取得した金員の一部について、収用等の場合の課税の特例を適用することはできないとした事例(平22.4.1〜平23.3.31までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成26年6月3日裁決)
裁決事例(国税不服審判所)
2014/06/03 [租税特別措置法][法人税法の特例][土地の譲渡等がある場合の特別税率][譲渡利益金額の計算]《要旨》 請求人は、請求人の建物の敷地として賃借していた土地の一部(本件土地)の公共用地の買取りに伴い起業者(本件起業者)から取得した補償金(本件建物補償金)について、?租税特別措置法関係通達(措置法通達)64(2)−3《対価補償金等の判定》の定めにより本件起業者の判断が尊重されるところ、本件起業者が請求人に交付した「公共事業用資産の買取り等の証明書」に「買取」と記載されていること、また、?本件建物補償金の算定根拠となった建物の庇部分を取り壊していることからすると64(2)−8《ひき(曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金》の各定めに該当又は類似し、本件建物補償金の全額が、租税特別措置法第65条の2《収用換地等の場合の所得の特別控除》第1項の規定による所得の特別控除の特例(本件特例)の対象となる補償金に該当する旨主張する。
しかしながら、?措置法通達64(2)−3は、交付の目的が明らかでない補償金について、対価補償金、収益補償金、経費補償金、移転補償金又はその他対価補償金たる実質を有しない補償金のいずれに該当するかの判定が困難な場合に、課税上弊害がない限り、起業者が証明するところによる旨定めているのであって、請求人は、本件起業者から本件建物補償金の算定資料の交付を受けており、本件建物補償金については、その算定の内訳等が明らかであり、いずれの補償金に該当するかが判断できる。また、?請求人が本件起業者から交付を受けた本件建物補償金の算定資料によれば、本件建物補償金のうち、本件土地の買取りによって減少する展示場及び駐車場の代替として本件土地の外に立体駐車場を設置する費用の補償及び当該立体駐車場を設置する際に支障となる建物の移転に要する費用の補償の各金額は、いずれも本件土地の上に存する資産に係るものではないから、措置法通達64(2)−8の定めに該当しない。
《参照条文等》 租税特別措置法第65条の2 租税特別措置法関係通達64(2)−3、64(2)−8
《参考判決・裁決》平成21年5月25日裁決(裁決事例集?77)福井地裁平成15年12月3日判決(税資253号順号9482)
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人が建物補償金などの名義で取得した金員の一部について、収用等の場合の課税の特例を適用することはできないとした事例(平22.4.1〜平23.3.31までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成26年6月3日裁決)
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