相続税更正処分等取消請求控訴事件|平成8(行コ)80
[相続税法][租税特別措置法][国税通則法][更正の請求]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成9年5月22日 [相続税法][租税特別措置法][国税通則法][更正の請求]判示事項
1 相続税の更正の後,更正の請求に基づき課税価格及び相続税額をいずれも零円とする減額更正がされた場合につき,当初の更正の取消しを求める訴えの利益は失われないとした事例 2 相続された宅地上の立体駐車場について,相続開始前に管理業務委託契約が締結されたが,仮処分の執行により占有が第三者に移転したため営業が開始されていなかった場合において,同宅地について租税特別措置法(平成4年法律第14号による改正前)69条の3第1項の適用がないとしてした相続税の更正が,適法とされた事例裁判要旨
1 相続税の更正の後,更正の請求に基づき課税価格及び相続税額をいずれも零円とする減額更正がされた場合につき,更正の請求に基づき当初の更正について減額更正がされた場合と,判決によりこれが取り消された場合とでは,減額あるいは取消しの範囲において,本税額,加算税額及び延滞税額が消滅し,それらが還付される点では相違はないが,国税通則法58条1項により,減額あるいは取消しに係る納付済みの国税(延滞税を含む。)についての還付加算金の算定期間の始期の点で相違があり,判決により取り消された場合の方が同還付加算金の額において納税者の利益となるから,前記減額更正により当初の更正の効力が失われたとしても,その取消しを求める訴えの利益は失われないとした事例 2 相続された宅地上の立体駐車場について,相続開始前に管理業務委託契約が締結されていたが,仮処分の執行により占有が第三者に移転したため営業が開始されていなかった場合において,同宅地について租税特別措置法(平成4年法律第14号による改正前)69条の3第1項の適用がないとしてした相続税の更正につき,事業の用に供されていた宅地等に該当するか否かは,相続開始の直前において,当該宅地等が現実に事業の用に供されていたか否かという観点から判断すべきものであるとした上,駐車場事業を開始したというためには,当該駐車場が利用客において現実に利用できる状態になったことが必要であるから,駐車場事業の用に供された時期については,利用客の現実の利用が可能になった最初の時点,すなわち営業開始時点がいつかという観点から判断すべきところ,前記管理業務委託契約の受託者が相続開始前に行った活動は営業開始のための準備活動であり,また,利用客との間で利用契約を締結していたとしても,仮処分の執行により現実には利用できなかったのであるから,駐車場として現実に営業が開始されたのは相続開始後であり,前記宅地が相続開始の直前において駐車場事業の用に供されていたということはできないなどとして,前記更正を適法とした事例- 裁判所名
- 東京高等裁判所
- 事件番号
- 平成8(行コ)80
- 事件名
- 相続税更正処分等取消請求控訴事件
- 裁判年月日
- 平成9年5月22日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 相続税更正処分等取消請求控訴事件|平成8(行コ)80
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- 相続税法第32条第3号に規定する更正の請求をすることができる期間の起算日は、遺留分減殺請求訴訟の和解が成立した日であり、適法な期間内に提出された更正の請求を前提とした同法第35条第3項第1号の規定に基づく原処分も適法であるとした事例
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- 後発的事由(判決)に基づく更正の請求に対して、請求人が申告当時、課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に変更を来すことを予想し得たとして、重加算税の賦課決定処分を認容した事例
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- 不動産売買契約の和解に伴う損失は、当該和解のあった日の属する事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入すべきものであって、国税通則法第23条第2項の規定により、そ及して所得金額を減額修正することはできないとした事例
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