特別土地保有税減免不許可決定処分取消請求事件|平成10(行ウ)100
[国税通則法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成11年7月14日 [国税通則法]判示事項
文化財保護法57条の2に基づく埋蔵文化財の発掘調査が行われていたため,自己の土地で駐車場の営業ができず,また,同土地の売却に当たり,引渡しもできなかったとしてした特別土地保有税の減免申請に対する不許可決定の取消請求が,認容された事例裁判要旨
文化財保護法57条の2に基づく埋蔵文化財の発掘調査が行われていたため,自己の土地で駐車場の営業ができず,また,同土地の売却に当たり,引渡しもできなかったとしてした特別土地保有税の減免申請に対する不許可決定の取消請求につき,地方税法(平成10年法律第27号による改正前)605条の2の規定を受けた東京都都税条例(平成10年条例第75号による改正前)154条1項2号,同条例施行規則35条2項2号は,文化財保護法57条1項に規定する埋蔵文化財を包蔵する土地で,当該埋蔵文化財を包蔵していることにより前記条例所定の特別土地保有税に係る納税義務免除の認定等を受けることができないものについて,特別土地保有税を減免する旨規定しているところ,文化財保護行政の実際においては,文化財保護法57条の2に基づく土木工事等を行う目的での発掘調査と同法57条に基づく調査目的での発掘調査とでは,いずれも学術目的に寄与するためにされる点などにおいて基本的に差異がなく,また,前記規則35条2項2号が「文化財保護法57条1項に規定する埋蔵文化財を包蔵していることにより」と定めるにとどまっていることからすると,同号が文化財保護法57条1項を引用しているのは,埋蔵文化財の定義の必要上されたものにすぎず,同条に基づく調査と同法57条の2に基づく調査とを区別していないものであって,その趣旨は,埋蔵文化財の包蔵が前記条例所定の特別土地保有税に係る納税義務免除の認定等を受けられないことに関して直接的な原因となっていることを求めるものであるとした上,当該土地の所有者らは,土地の売却に伴って現れた文化財保護行政上の必要性から発掘調査に応じたものであり,教育委員会からの要請により,課税基準日をはさんで4か月間にわたり発掘調査のために同土地での駐車場経営を停止しなければならなかったこと,同調査の終了後直ちに売却先への同土地の引渡しがされたことなどからすると,埋蔵文化財の包蔵が前記納税義務免除の認定を受けられなかった直接的な原因であるから,同土地は前記規則35条2項2号の土地に当たるとして,前記取消請求を認容した事例- 裁判所名
- 東京地方裁判所
- 事件番号
- 平成10(行ウ)100
- 事件名
- 特別土地保有税減免不許可決定処分取消請求事件
- 裁判年月日
- 平成11年7月14日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 特別土地保有税減免不許可決定処分取消請求事件|平成10(行ウ)100
関連するカテゴリー
関連する裁決事例(国税通則法)
- 相続税の期限内申告書の提出がなされなかったことについて、国税通則法第66条第1項ただし書に規定する「正当な理由」がないとした事例
- 信書便事業者に該当しない宅配便事業者を利用して法定申告期限の翌日に提出された納税申告書は期限内申告書には当たらないとした事例
- 株主総会において支給が確定した退職金の一部を受領しなかったのは、相続人たる請求人らが退職金の支払義務の一部を免除したものであるから更正の請求は認められないとした事例
- 更正処分の理由の提示について不備がないと判断した事例(平成22年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成27年6月1日裁決)
- 譲渡所得の金額の計算を誤ったのは、譲渡した土地は亡父が生前に事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例を適用して取得した買換資産であることを知らなかったためであること、また、老後の生活のため売却したものであること等の事情を課税処分において考慮すべきであるとの請求人の主張には理由がないとした事例
- 請求人が経営するパチンコ店のフロアー責任者及び経理責任者として実質的に経営に参画していた従業員が行った売上除外による隠ぺい行為について、それが横領目的であったとしても請求人の行為と同視すべきであるとして、重加算税の賦課決定処分を認容した事例
- 確定申告期限以前において判断能力がなかったとは認められないから、納税者の責めに帰すことができない客観的事情は認められないとした事例
- 株式の売買代金が時価相当額より低額であるとして類似業種比準価額方式により評価し、売主に対して所得税更正処分等、買主に対して法人税更正処分等がそれぞれなされた場合において、売主側が提起した所得税更正処分等取消訴訟において当該処分等の取消判決が確定しても、買主側は国税通則法第23条第2項第1号に基づく更正の請求をすることはできないとした事例
- 原処分庁が納税の猶予の適否の判断に必要な事実確認等を行おうと努めたにもかかわらず、請求人自らが要件が充足されていることを明らかにしていく姿勢がうかがわれなかったのであるから、納税の猶予を受ける権利を侵害した事実はないとした事例
- 請求人の従業員の行った不正経理行為は、請求人の行為と同一視されるとして、重加算税の賦課決定処分を認容した事例
- 修正申告のしょうように至るまでの過程において、原処分庁が当初保有していた情報とは異なる申告漏れが判明した事情がある場合において、修正申告は更正があるべきことを予知してなされたものであると認めた事例
- 工事代金の一部を本件事業年度の売上げに計上しないで、売掛金の過入金として処理したことが、重加算税を課すべき事実に該当しないと判断した事例
- 事前通知に関し調査の単位を明らかにした事例(平成22年分〜平成24年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・一部取消し・平成26年11月13日裁決)
- 遺贈の効力は認められるものの、請求人がその効力の有無について疑問を抱いたとしてもやむを得ない客観的な事情が認められるとして、遺贈に関する調停の成立により国税通則法第23条第2項第1号の規定による更正の請求を認めた事例
- 未成年者にあてた通知書の送達は適法であるとした事例
- 前事業年度に係る更正処分について訴訟係属中であっても、当該更正処分が無効と認められる場合でない以上、当該更正処分の結果に基づきなされた本件更正処分は適法であるとした事例
- 相続により取得した財産に係る相続開始前における所有権の取得時効の完成、所有権の取得という事実が判決により後発的に確定した場合、当該判決は、国税通則法第23条第2項第1号にいう判決に当たり、当該事情を財産の価額に与える影響要因として考慮した場合には、その財産の価額は零円とみるのが相当とした事例
- 当初申告に係る物納申請についてされた徴収猶予の効果は、その後に提出された修正申告に係る物納申請に対する徴収猶予には及ばないことから、修正申告に係る延滞税の納税義務があるとした事例
- 関与税理士が無断で作成、提出した確定申告書は無効である旨の主張を退けた事例
- 特定退職金共済制度の導入に伴う過去勤務債務分を特別賞与として損金に算入し、従業員の代表者名義の預金を設定した行為が所得金額の隠ぺい又は仮装に当たらないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。