法人の税額控除(研究開発)で節税
法人の税額控除(研究開発)で節税する。試験研究費や中小企業技術基盤強化税制に関する税額控除について。

請求人は、競売により取得した本件建物を当初から利用する計画もなく、取り壊して跡地を利用する目的であったと認められることから、本件建物の取得価額及び解体費等は本件土地の取得価額に算入すべきとした事例

[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][有価証券の評価]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

2008/03/24 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][有価証券の評価]

裁決事例集 No.75 - 342頁

 請求人は、本件建屋は改装して製造工場として利用する目的で取得したもので、初めから取壊しをする予定はなかったから、本件建屋の取得価額は、本件土地の取得価額には含まれない旨主張する。
 しかしながら、原処分関係資料及び当審判所の調査において、その意思決定を示す具体的資料はなく、競売に係る評価書によれば本件建屋は従前工場として有害物質が使用されていた旨記載されており、そして、請求人の監査役が本件土地及び本件建物等を取得する直前に土壌汚染の調査方法等についてP県保健福祉環境事務所に相談していることからすれば、請求人は、競売に参加する時点において、本件建屋が従前工場であり有害物質が使用されていたことを承知しており、本件建屋が食品物の製造に適さない可能性があることを想定した上で、本件土地及び本件建物等を取得したものと認められる。
 また、本件土地及び本件建物等の競売価格はその固定資産税評価額の約5分の1の金額であることからみて、本件建屋を取り壊しても、その跡地を利用する価値があったからこそ競売への参加を決定したものと認められる。
 そして、請求人は、稟議書の記載内容から、平成16年12月の時点では本件建屋を解体して、新工場を建設することを決めていたものと認められ、平成16年10月から平成17年8月にかけて、本件排水施設及び本件建屋を順次取り壊し、その後、その跡地を利用して平成18年1月に本件社屋を増築するとともに、同年2月に別棟を新築取得していることから、取得後1年以内に本件建屋の取壊しに着手したと認められ、また、取得後に事情変更等があったとは認められない。
 これらを総合すれば、請求人は、当初から本件建屋を利用する計画はなく、それを取り壊して、その跡地を利用する目的であったと認められ、法人税基本通達7-3-6の「その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかである」と同視しうる状況にあったものと認められる。
 そうすると、本件では、本件建屋の取得価額を本件社屋の取得価額に含めて減価償却を行っているが、上記のとおり、本件建屋は取得後事業の用に供されることなく取り壊されているので、本件建屋の取得価額に係る減価償却費は損金の額に算入することは相当ではなく、また、本件建屋の取得価額は、本件社屋の取得価額とは別に、本件排水施設解体費等とともに本件土地の取得価額に算入するのが合理的であるというべきである。
 また、本件タンク設備等についても、食品製造工場として利用できるものではなく、平成17年6月までに取り壊されており、本件タンク設備等撤去工事費は、本件タンク設備等を取り壊して、本件土地を使用するために要した費用であると認められることから、本件土地の取得価額に算入すべきである。
 以上のことから、本件建屋の帳簿価額及び本件解体工事費等は、本件各事業年度の損金の額に算入することはできず、本件土地の取得価額に算入すべきである。

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
請求人は、競売により取得した本件建物を当初から利用する計画もなく、取り壊して跡地を利用する目的であったと認められることから、本件建物の取得価額及び解体費等は本件土地の取得価額に算入すべきとした事例

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