譲渡所得(株式等)で節税
譲渡所得(株式等)で節税する。取得費の詳細や特例。NISAや特定口座、損益通算、繰越控除で節税する。

遺留分権利者が遺留分減殺を原因とする土地の共有持分移転登記請求訴訟によって同土地の共有持分権を取り戻したことは、遺留分義務者の相続税法第32条第3号の更正の請求事由に当たるとした事例

[相続税法][申告及び納付]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

2013/01/08 [相続税法][申告及び納付]

平成25年1月8日裁決

《ポイント》 本事例は、遺留分権利者が遺留分減殺請求の目的物について現物返還と価額弁償とを同時に求めていた場合において、遺留分義務者から現物返還が行われたことは、相続税法第32条第3号の更正の請求事由に当たることなどを初めて明らかにしたものである。

《要旨》 原処分庁は、請求人以外の共同相続人ら(本件遺留分権利者ら)が、遺産である土地(本件土地)について、請求人に対して、遺留分減殺請求訴訟において、価額弁償の請求をしながら、同時に、本件土地について請求人の債務に係る譲渡担保権に基づき所有権移転登記を受けていたK社に対して、共有持分移転登記請求訴訟において、現物返還の請求として所有権一部移転登記手続の請求をしており、K社が当該請求を認諾(本件認諾)したという事実関係の下、請求人が本件認諾を事由としてした更正の請求(本件更正の請求)は、相続税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第3号事由(遺留分減殺請求に基づき返還すべき又は弁済すべき額が確定したこと)に該当しないものである旨主張する。
 しかしながら、本件認諾は、K社が、本件土地に設定されていたK社の譲渡担保権に基づく所有権移転登記について、本件遺留分権利者ら各共有持分10分の1の所有権移転登記手続をすることを認めたものであり、また、本件認諾の前に、請求人が本件遺留分権利者らの遺留分割合が各10分の1であると認めていたことからすると、本件遺留分権利者らは、本件認諾により、本件土地の遺留分に係る各共有持分の登記を回復することができたものと認められる。そして、民法第1040条《受贈者が贈与の目的を譲渡した場合等》第1項本文の規定は、遺留分権利者が、遺留分減殺請求によって目的物を取り戻して登記を回復することができた場合に、これに加えて価額弁償の請求も認めるものと解することはできないことからすると、本件遺留分権利者らは、本件認諾の後本件土地に係る価額弁償を請求することはできないから、本件認諾の日に、本件土地について遺留分に相当する共有持分権を取り戻すことが確定し、これにより、請求人が遺留分減殺請求に基づき返還すべき又は弁償すべき額が確定したというべきである。したがって、本件更正の請求は、相続税法第32条第3号に規定する事由に該当するものである。

《参照条文等》 相続税法第32条第3号

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
遺留分権利者が遺留分減殺を原因とする土地の共有持分移転登記請求訴訟によって同土地の共有持分権を取り戻したことは、遺留分義務者の相続税法第32条第3号の更正の請求事由に当たるとした事例

関連するカテゴリ

関連する裁決事例(相続税法>申告及び納付)

  1. 相続税法施行令第8条第1号に規定する判決は、請求人が訴訟当事者である判決に限られるとした事例
  2. 遺産分割審判手続中に相続分放棄証明書及び脱退届出を家庭裁判所に提出した納税者は、他の共同相続人間において遺産分割が確定したことを知った日の翌日から4か月以内に相続税法第32条第1号の規定に基づき更正の請求をすることができるとした事例
  3. 相続人以外の者が市街化調整区域内の農地の特定遺贈を受けた場合において、受遺者の責めに帰さない事情により当該農地が非農地化されたときには、農地法上の許可を受けていなくても、非農地となった時点において所有権移転の効力が生ずるというべきであるから、受遺者については、その非農地化の事実を知った日をもって相続税法第27条第1項に規定する「相続開始があったことを知った日」と解すべきであるとした事例
  4. 相続税法第32条第3号の「減殺の請求があったことを知った日」とは減殺の請求が調停、判決等で解決した場合にはその解決した日とした事例
  5. 相続税法第34条の連帯納付義務に基づく督促処分及び差押処分が適法であるとした事例
  6. 相続税法第34条第6項に規定する連帯納付義務の納付通知処分が適法であるとした事例(連帯納付義務の納付通知処分・棄却・平成26年6月25日裁決)
  7. 相続税法第35条第3項の規定に基づいて行われた増額更正処分は、その処分の前提となる更正の請求が同法第32条第1号の要件を満たしていないから違法であるとした事例
  8. 「相続させる」旨の遺言の法的効果を前提として、未分割財産が分割されたことを事由とする相続税法第32条第1号の規定に基づく更正の請求は、その前提要件を欠くとした事例
  9. 相続税法第34条の連帯納付責任に基づく督促処分が適法であるとした事例
  10. 遺産分割に係る訴訟上の和解が成立した場合において、相続税法第32条に規定する「事由が生じたことを知った日」は、当事者が合意して和解が成立した日と解するのが相当であるとした事例
  11. 相続税法34条4項の連帯納付義務は、受贈者の贈与税の納税義務の確定という事実に基づいて法律上当然に生じるもので、特別の確定手続を要するものではなく、その範囲は、受贈者が負っている本税及び延滞税のすべてについて、贈与した財産の価額を限度として負担すべきであるとした事例
  12. 相続開始後3年以内に遺産分割された土地について、租税特別措置法第69条の3(平成11年法律第9号改正前)の適用を受ける場合の更正の請求の期限は、当該土地の遺産分割の日から4か月以内であるとした事例
  13. 相続税の連帯納付義務についての督促処分前に行われた当該相続税を担保するための抵当権の抹消に当たり、その判断に誤りがあるとしても、当該督促処分が権利の濫用に当たるとはいえず、民法第504条の類推適用又は国税通則法第41条第2項の規定により連帯納付義務が免責されることもないとした事例
  14. 相続税法第34条第1項の連帯納付義務には、補充性がなく、告知は不要であり、本件連帯納付義務は徴収権の消滅時効等により消滅していないとされた事例
  15. 相続税法第34条第2項の連帯納付義務には補充性は認められず、また、連帯納付義務者に対する差押処分は、財産の選択を誤った国税徴収法第49条に反するものとはいえないとされた事例
  16. 遺留分権利者が遺留分減殺を原因とする土地の共有持分移転登記請求訴訟によって同土地の共有持分権を取り戻したことは、遺留分義務者の相続税法第32条第3号の更正の請求事由に当たるとした事例
  17. 相続税法第34条第1項の連帯納付義務は、各相続人の固有の相続税の納付義務の確定に伴い法律上当然に確定し、直ちに連帯納付義務者に対し徴収手続を行うことができ、また、補充性が認められないから、本来の納税者に対する徴収手続を尽くさないでされた連帯納付義務についての督促は不当であるとの請求人の主張には理由がないとした事例
  18. 被相続人の全財産を書面によらない死因贈与により取得したとする請求人の権利は、和解成立前においては、法定相続人から撤回される可能性が極めて高く、極めてぜい弱なものであったといえることから、請求人が自己のために相続の開始があったことを知ったのは、和解により当該死因贈与契約の一部の履行が確定した日であると判断した事例
  19. 調停により遺産分割が行われた場合における相続税法32条第1号の更正の請求ができる「事由が生じたことを知った日」は調停が成立した調停期日の日であるとした事例
  20. 遺産分割審判に係る高裁決定を不服として許可抗告の申立て及び特別抗告が行われている場合における相続税法第32条の更正の請求をすることができる「事由が生じたことを知った日」は、当該高裁決定に係る文書が送達された日であるとした事例

※最大20件まで表示

税法別に税務訴訟事例を調べる

当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。


戦略的に節税するための無料ツール

一括節税計算機
※所得を入力して、税目別に税額を一括比較する
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

 本サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

 本サイトでは掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
新着情報 RSS
01/29 生命保険で節税
02/08 所得税の延納(利子税)で節税
09/26 経営セーフティ共済で節税
02/22 役員報酬(事前確定届出給与)で節税
02/19 不動産(再建築費評点基準表)で節税
新着情報を見る
節税対策ブログ
02/13 所得税確定申告で誤りの多い12項目(2019年度版)
01/29 死亡退職金の受取人(役員退職慰労金規程と相続税)
02/22 所得税確定申告で誤りの多い事例とは
02/02 クレジットカードポイント等の税務処理
02/01 ふるさと納税特産品と株主優待の税務処理
節税対策ブログを見る
アクセス数
今日:32
昨日:372
ページビュー
今日:509
昨日:1,116

ページの先頭へ移動