原処分庁が架空仕入れと認定した棚卸資産については、運送会社の送り状、請求人の商品棚卸表等周辺資料から、架空仕入れとする証拠に欠けるとした事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1993/12/21 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算] 原処分等は、請求人の代表者が、取引先に対して正規の取引とは別に架空の取引の納品書等を発行するよう依頼し、仕入代金を取引先の預金口座に振り込んだ後、架空取引に相当する金額を現地において現金で受領した事実を確認したとして、仕入商品の一部は架空取引であると認定した。
しかし、運送会社からの送り状及び請求書によれば、取引先から請求人へ納品されていることが認められていること、請求人の期末商品棚卸表では、架空仕入れとした商品が在庫商品となっていること、商品及びその品質表示票の商品番号を撮影した写真と、架空仕入れとした商品の商品番号とが一致すること、請求人の代表者が取引先の現地に出張し現金を受領したとする日の前後の日に出張した事績がない日があること、取引先の答述及びそれを裏付ける資料があいまいで信ぴょう性があるとは言いがたく、かつ、当該答述以外に架空仕入れがあることを裏付ける明らかな証拠資料もないことから、原処分庁が架空仕入れと認定した判断は、証拠に欠けるものといわなければならないので、更正処分の全部を取り消すのが相当である。
平成5年12月21日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 原処分庁が架空仕入れと認定した棚卸資産については、運送会社の送り状、請求人の商品棚卸表等周辺資料から、架空仕入れとする証拠に欠けるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(法人税法>所得金額の計算>損金の額の範囲及び計算)
- 保冷施設は、建物に固着した内部造作物であるから、冷蔵業用設備の耐用年数ではなく、冷蔵倉庫用建物の耐用年数を適用するのが相当であるとした事例
- 運送業を営む請求人が損金に計上したいわゆるバッタ屋からの燃料費及びタイヤ購入費を架空経費であるとして認めなかった事例
- 売上除外をして請求人の役員らの各預金口座に振り込まれた金員は、請求人からの役員給与に該当し、じ後に請求人に対し役員らの返還債務が発生した場合であっても、当該金員につき役員らが現実に取得している限り、当該各預金口座に振り込まれた時点で役員らの給与に該当するとした事例(平18.6.1〜平25.5.31の各事業年度の法人税の各更正処分ほか・棄却・平成27年7月1日裁決)
- 本件海外慰安旅行の参加者の一人当たりの費用の額は平成3年5月分341,000円、平成4年5月分454,411円及び平成5年5月分520,000円であり、当該金額は、多額であると認められることから、社会通念上一般に行われている福利厚生行事と同程度のものとは認められないとした事例
- 役員の配偶者に支給した金員は当該役員に対する賞与であるとした事例
- 造林に要したぶ育費及び管理費を損金の額に算入しても違法ではないとした事例
- 請求人が請求人の代表者の母及び義姉に支払った外注費は請求人の代表者に対する経済的利益の供与と認めるのが相当であるが、このうち毎月定額支給した金額は役員報酬として損金算入すべきであるとした事例
- 仕入価格は、行政庁の認可価格によらず適正な見積価格によるべきであるとした事例
- 同族会社の使用人のうち同族会社の判定の基礎となった株主等であっても、その会社の経営に従事しているか否かによってその取扱いを異にした事例
- 分譲マンションの建設用地について、本件土地を含む地域が地すべり防止区域に指定されたこと及びおよそ300離れた同様の傾斜地で土砂崩れがあったことは、評価損が損金に算入される法人税法施行令第68条第1号ニの「準ずる特別の事実」に該当しないとした事例
- 請求人がその子会社の債務超過などを理由として売掛金及び貸付金を放棄したことは、いずれも子会社に対する経済的な利益の無償の供与であり、寄付金の額に該当するとした事例
- 債務保証契約に基づく保証債務の弁済額について損金算入を認容した事例
- 欠損会社である被合併法人が有していた航路権は営業権に該当すると認定した事例
- いわゆる兄弟会社に対する貸付債権の放棄について寄付金として認定した原処分は相当でないとした事例
- 法人が役員に支給した一時金が定期の給与となる歩合給でなく役員賞与に当たるとした事例
- 特定の政治団体の中傷行為等を排除するためにやむなく支出した金員は交際費ではなく寄付金に該当するとした事例
- 手形交換所において取引停止処分を受けた取引先が妻名義で振り出した手形は債権償却特別勘定の対象となるとした事例
- 営業店舗の賃借権の譲受価額には営業権に相当する額が含まれていないとした事例
- 金属造のさん橋の耐用年数については、金属造の鋼矢板岸壁の25年が適用できると判断した事例
- 請求人の主張する借入金は存在しないから、支払手数料勘定に計上した支払金(支払利息)は損金に算入できず、コンサルティングフィ、ロイヤリティについても、損金算入を認めなかった事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。