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遺産分割協議時に、共同相続人間で分割協議対象財産として認識されていない財産があった場合には、遺産分割協議書に「本書に記載のない財産は特定の者に帰属する」旨の記載があったとしても、当該財産は未分割財産とみるのが相当であるとした事例

[相続税法][相続税の課税価格の計算][債務控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

2011/08/26 [相続税法][相続税の課税価格の計算][債務控除]

平成23年8月26日裁決

《ポイント》 遺産分割協議書には、「本書に記載のない財産は特定の者に帰属する」旨の記載が一般的に見受けられるところであるが、本事例は、遺産分割協議書に当該記載はあるものの、被相続人からの贈与契約が履行されていない財産については、遺産分割協議時点において共同相続人間で分割協議対象財産として認識されていないから、未分割財産であると判定したものである。

《要旨》 請求人らは、本件被相続人がその預金原資を出捐した請求人らの名義の各定期預金(本件各定期預金)について、本件各定期預金に係る証書が本件被相続人の生前にそれぞれ各名義人へ手渡された時点で、本件被相続人からの贈与の履行が完了しているから、相続財産とはならない旨主張する。
 しかしながら、確かに、本件被相続人と請求人らとの間で、本件各定期預金に関する書面によらない贈与契約がそれぞれ成立したものと認められるものの、書面によらない贈与は、その履行が終わるまでは当事者がいつでもこれを取り消すことができることから、その履行前は目的財産の確定的な移転があったということはできないので、この場合の贈与の有無、すなわち、目的財産の確定的な移転による贈与の履行の有無は、贈与されたとする財産の管理・運用の状況等の具体的な事実に基づいて、総合的に判断すべきである。
 これを本件についてみると、定期預金を自由に運用するためにはその届出印が必要となるところ、本件各定期預金の届出印は、その保管状況・使用状況・各名義人の当該届出印に対する認識及び本件各定期預金に係る証書の改印状況などを勘案すると、相続開始時点においても本件被相続人が引き続き管理していたものと認められることから、本件各定期預金について、本件被相続人から各名義人へ確定的な移転があったとまではみることができない。したがって、本件各定期預金は、贈与によって請求人らが取得したものとは認めることができず、相続税の課税財産に該当する。
 ただし、本件各定期預金は、遺産分割協議書に記載がなく、同書には「本書に記載のない遺産はすべて請求人Gが取得する」旨記載されているものの、請求人らの間において、当該遺産分割協議の時点で遺産分割対象財産として認識していなかったと解されることから、相続税法第55条《未分割遺産に対する課税》に規定する未分割財産であるとみるのが相当である。

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
遺産分割協議時に、共同相続人間で分割協議対象財産として認識されていない財産があった場合には、遺産分割協議書に「本書に記載のない財産は特定の者に帰属する」旨の記載があったとしても、当該財産は未分割財産とみるのが相当であるとした事例

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