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相続開始時において、主たる債務者は返済不能の状況に至っていないので、被相続人の保証債務額は、債務控除の対象にならないとして請求人の主張を排斥した事例

[相続税法][相続税の課税価格の計算][債務控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

1996/12/11 [相続税法][相続税の課税価格の計算][債務控除]

裁決事例集 No.52 - 113頁

 請求人は、被相続人の保証債務額5億2,259万円は主たる債務者M社及びN社の財産及び損益の状況からみて、相続税法第13条及び第14条に規定する債務控除の対象となる旨主張する。
 しかしながら、次のとおり被相続人の相続開始時において、M社及びN社は債務超過の状況と認められるものの、T銀行らに対する弁済遅延もなく、事業閉鎖等の事実も認められないので、当該保証債務額は、債務控除の対象とならないとした本件更正処分は適法である。

 M社及びN社は、[1]被相続人の相続開始時まで債権者であるT銀行らに保証債務額を弁済していたので、催告を受けておらず、また、[2]事業活動を継続しており、事業閉鎖等、強制執行又は会社更生の申立等を受けたことがないこと。
 ところで、相続税法第14条に規定する「確実と認められる」債務とは、債務の存在とその履行が確実と認められる債務と解すべきところ、保証債務は、保証人が当該債務を履行するか否か不確実であるから、原則として「確実と認められる債務」に該当しないが、主たる債務者が弁済不能にあるため保証人が当該債務を履行しなければならない場合で、かつ、当該債務者に求償しても弁済を受ける見込みがない場合には、例外的に「確実と認められる債務」に該当すると解するのが相当である。
 そして、主たる債務者が弁済不能にあるか否かは、破産、和議、会社更生又は強制執行等の手続開始を受け、若しくは事業閉鎖、行方不明等により、債務超過の状態が相当期間継続しながら、他から融資を受ける見込みもなく、再起の目途が立たない等の事情により、事実上債権の回収ができない状況にあることが客観的に認められるか否かによると解するのが相当である。
国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
相続開始時において、主たる債務者は返済不能の状況に至っていないので、被相続人の保証債務額は、債務控除の対象にならないとして請求人の主張を排斥した事例

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