株式は祖母から死因贈与により請求人が既に取得したものであり、被相続人の相続財産を構成しないとした事例
[相続税法][相続税の課税財産の範囲][有価証券等]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1998/03/31 [相続税法][相続税の課税財産の範囲][有価証券等] 原処分庁は、請求人名義の株式は請求人の父である被相続人が亡母(請求人の祖母)の相続により取得したものであることから、被相続人の相続財産である旨主張する。
しかしながら、本件株式は、祖母が被相続人らのために相続財産として残す意図はなかったものとうかがえるところ、請求人の陳述及びxの答述によれば、祖母は請求人に対して本件株式の購入目的を告げており、死期の近づいた祖母は、購入していた本件株式等を4つに分け、請求人ら自分の孫にあててxに預けたこと、そして、xは祖母の死亡後1か月を経過したころ、請求人に引き渡したことが認められたことからすると、遅くともその時までに、祖母と請求人との間において、祖母が死亡したら本件株式を贈与する旨の死因贈与契約が成立していたと認めるのが相当であり、本件株式は、請求人の固有財産となる。
したがって、本件株式が被相続人の相続財産に当たるとした原処分庁の認定には事実誤認があることから、本件株式の価額を相続財産の課税価格から差し引くべきである。
平成10年3月31日裁決
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