家族を外国に居住させ、自らは国内に住民票を置き、出入国を繰り返している請求人代表者を所得税法第2条第1項第3号の「居住者」に該当すると判断した事例
[所得税法][源泉徴収]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2008/12/25 [所得税法][源泉徴収] 請求人は、請求人代表者が、家族をD国に居住させ、自らも同国での住所を有したまま、同国での勤務に加え日本での勤務も行い、D国と日本を行き来する生活を送っていることから、その住所地は、所得税基本通達3-1に定める船舶又は航空機の乗組員の住所の判定と同様に、「その者の配偶者その他生計を一にする親族の居住している地」、すなわちD国にあり、代表者は、所得税法第2条第1項第5号に規定する「非居住者」に当たると主張する。
しかしながら、請求人代表者は、出入国を繰り返しているものの、日本国内における居住地以外に、生活の本拠としての実態がある場所もなく、請求人の代表者として活動していることからも、請求人を中心とするグループ企業の実権を掌握し、その地位に照らしても相当期間にわたり国内に存在することを必要としていたもので、その住所は国内にあり、所得税法第2条第1項第3号に規定する「居住者」に当たる。
平成20年12月25日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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