No.5657 平成21年及び平成22年に先行取得をした土地等に係る圧縮記帳|法人税
タックスアンサー(国税庁)
[平成27年4月1日現在法令等]
法人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に土地など(以下「先行取得土地等」といいます。)を取得し、その取得の日を含む事業年度終了の日後10年以内に、その法人の所有する他の土地等の譲渡をしたときは、その先行取得土地等について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額するなどの一定の方法で経理したときは、その減額した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用を受けることができます。
1 先行取得土地等
圧縮記帳の対象となる先行取得土地等とは、法人が平成21年1月1日から平成22年12月31日の期間内に取得した国内にある土地又は土地の上に存する権利で、棚卸資産に該当するもの以外のものです。ただし、次に掲げるものはこの場合の取得に含まれません。
- (1) その法人と特殊の関係のある個人又は法人からの取得
- (2) 合併、分割、贈与、交換、出資又は適格現物分配による取得
- (3) 所有権移転外リース取引又は代物弁済による取得
(注) 所有権移転外リース取引の内容については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。
2 圧縮記帳を行う事業年度
先行取得土地等を取得した法人が、その取得の日を含む事業年度終了の日後10年以内に他の土地等を譲渡した場合には、当該他の土地を譲渡した日の属する事業年度において、その先行取得土地等について圧縮記帳をします。
他の土地等の「譲渡」には、土地等を使用させることによりその土地等の価値が著しく減少する場合(法人税法施行令第138条第1項に該当するもの)のその使用させる行為を含みます。ただし、次に掲げるものはこの場合の譲渡に含まれません。
- (1) 土地収用法などの規定に基づく収用、買取り、換地処分、権利変換又は買収による譲渡(租税特別措置法第64条第1項第1号から第4号まで及び第8号並びに第65条第1項第1号及び第3号から第6号までに規定するもの(第64条第2項又は第65条第7項から第9項までの規定により収用等又は換地処分等による譲渡があったとみなされる場合を含みます。))
- (2) 特定の長期所有土地等の所得の特別控除の適用を受ける譲渡(租税特別措置法第65条の5の2に規定するもの)
(注) 特定の長期所有土地等の所得の特別控除については、コード5451「平成21年及び平成22年に取得した長期所有土地等の1,000万円特別控除」を参照してください。 - (3) 特定資産の買換えの圧縮記帳等の適用を受ける譲渡(租税特別措置法第65条の7、第65条の8、第65条の11及び第65条の12に規定するもの)
(注) 特定資産の買換えの圧縮記帳については、コード5651「特定資産を買い換えた場合の圧縮記帳」を参照してください。 - (4) 交換により取得した資産の圧縮記帳等の適用を受ける交換による譲渡(法人税法第50条第1項又は第5項並びに租税特別措置法第65条の9から第66条までに規定するもの)
(注) 交換により取得した資産の圧縮記帳については、コード5600「土地建物を交換したときの特例」及びコード5601「借地権と底地を交換したとき」を参照してください。 - (5) 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配による土地等の移転
3 圧縮限度額
圧縮限度額は、次の算式により計算した金額です。
圧縮限度額 = 譲渡する先行取得土地等以外の土地等に係る譲渡利益金額×80%
- (注1) この規定により圧縮記帳をする先行取得土地等が平成22年中に取得されたもののみである場合には、60%となります。
- (注2) 譲渡利益金額とは、先行取得土地等以外の土地等の譲渡に係る対価の額からその土地等の譲渡直前の帳簿価額に譲渡経費の額を加算した金額を控除した金額です。
- (注3) 譲渡の日を含む事業年度において先行取得土地等以外の土地等の譲渡が2以上ある場合には、譲渡利益金額はその合計額とします。
4 圧縮記帳を受けるための経理方法
この圧縮記帳の適用を受けるためには、次のいずれかの経理方法を採用する必要があります。
- (1) 損金経理により先行取得土地等の帳簿価額を減額する方法
- (2) 確定した決算において積立金として積み立てる方法
- (3) 決算の確定日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法
5 その他
この圧縮記帳の適用を受けるためには、次の手続が必要です。
- (1) 先行取得土地等の取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までに、「平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の課税の特例の適用に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。
ただし、平成21年4月1日前に終了する事業年度(確定申告書の提出期限が平成21年4月30日前に到来する事業年度に限ります。)については、その届出書の提出期限は平成21年4月30日です。 - (2) 先行取得土地等以外の土地等を譲渡した事業年度の確定申告書等に損金の額に算入される金額を記載するとともに、その確定申告書等に平成21年及び平成22年に先行取得をした土地等の圧縮額の損金算入に関する明細書(別表13(10))を添付することが必要です。
(措法66の2、措令39の10の2、措規22の9の3、平21改正法附則43)
- 国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。
※ 下記の電話番号では、国税に関するご相談は受け付けておりません。
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5657.htm
関連するタックスアンサー(法人税)
- No.5703 リース取引の賃貸人における収益及び費用の計上方法(平成20年4月1日以後契約分)
- No.5608 保険金等で取得した固定資産等の圧縮記帳
- No.5283 特定公益増進法人に対する寄附金
- No.5601 借地権と底地を交換したとき
- No.5261 交際費等と福利厚生費との区分
- No.5208 役員の退職金の損金算入時期
- No.5209 役員に対する給与(平成19年4月1日以後に開始する事業年度分)
- No.5202 役員に対する経済的利益
- No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期
- No.5438 中小企業者等における教育訓練費の税額控除(平成20年4月1日から平成24年3月31日までに開始した事業年度分)
- No.5930 帳簿書類等の保存期間及び保存方法
- No.5600 土地建物の交換をしたときの特例
- No.5284 認定NPO法人等に対する寄附金
- No.5350 使用人賞与の損金算入時期
- No.5652 特定資産を買換えた場合の圧縮記帳の対象となる資産
- No.5203 使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金
- No.5220 個人事業当時からの使用人に対する退職金
- No.5442 試験研究費の総額に係る税額控除制度
- No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
- No.5387 販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定
項目別にタックスアンサーを調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:タックスアンサーのデータを利用して作成されています。