無制限納税義務者に係る未成年者控除の控除不足額を制限納税義務者である未成年者から控除することの可否｜相続税・贈与税
質疑応答事例（国税庁）
【照会要旨】
被相続人甲の死亡により、その子乙及び丙が甲の遺産を取得しました。乙及び丙は、いずれも未成年者です。乙は制限納税義務者(日本との間で遺産、相続及び贈与に関する租税条約を締結していない外国の居住者です：相法1の3三)であるため相続税法第19条の3に規定する未成年者控除の適用を受けることはできませんが、丙は無制限納税義務者（相法1の3一又はニに該当する者）であるため同法第19条の3に規定する未成年者控除の適用を受けることができます。
しかし、丙の相続税額が少ないため控除不足額が生じます。このような場合には、その控除不足額は、制限納税義務者である未成年者乙の相続税額の計算上控除することができますか。
【回答要旨】
他の相続人に係る未成年者控除の控除不足額は、その者の扶養義務者から控除することができます。この場合、その扶養義務者は、制限納税義務者であるかどうか、また、未成年者であるかどうかは問いません。
したがって、丙の未成年者控除の控除不足額は、乙の相続税の計算上控除することができます。
【関係法令通達】
相続税法第1条の2第1号、第19条の3第2項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/08/01.htm
関連する質疑応答事例（相続税・贈与税）
- 死亡退職金の課税時期
- 納税猶予の特例の適用を受けた休耕地をその後転用した場合
- レジャー農園の用に供されている農地
- 期限後申告になったことによる相続時精算課税に係る贈与税の特別控除額の翌年以降への繰越し
- 老人ホームへの入所により空家となっていた建物の敷地についての小規模宅地等の特例（平成26年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する場合の取扱い）
- 未成年者が農業相続人となる場合の農業委員会の証明
- 入院により空家となっていた建物の敷地についての小規模宅地等の特例
- 特定障害者扶養信託契約に係る財産を一部払い出し受益者のための居住用不動産を取得することの可否
- 未分割の場合の課税価格（相続時精算課税適用財産がある場合）
- 相続時精算課税を選択した場合の少額贈与についての贈与税の申告の要否
- 相続開始後に相続財産である山林について宅地開発を行い道路部分を市に贈与した場合の租税特別措置法第70条の適用
- 市民菜園として貸し付けている農地
- 老人ホームへの入所により空家となっていた建物の敷地についての小規模宅地等の特例（平成25年12月31日以前に相続又は遺贈により取得した場合の取扱い）
- 相続放棄と相続税の納税猶予
- 生前に退職している被相続人の死亡により元の勤務先から支払いを受ける特別弔慰金等
- 店舗兼住宅を取得した場合の床面積要件
- 代襲相続権の有無（1）
- 特例農地等の一部を市に寄附した場合の100分の20の判定
- 小規模宅地等の特例の対象となる「被相続人等の居住の用に供されていた宅地等」の判定
- 住宅取得等資金の贈与の特例における耐火建築物の範囲
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁：質疑応答事例のデータを利用して作成されています。